60歳以上の認知症予防:生活編


認知症の発症原因は、70近くあるといわれていますが、
割合ではアルツハイマー病と脳血管障害で約7割をしめています。

この2つの認知症の発症原因を回避することから
認知症予防はスタートするといえます。

近年の研究からは、脳血管障害だけでなく、アルツハイマー病も
運動や食事などの生活習慣が関係していることがわかっています。

生活習慣であれば、多くの場合でコントロールが可能で、
生活習慣を見直すことで、認知症に強い脳とからだ作りが達成されます。

とはいえ、認知症に強い生活習慣を確立するにあたり、
どこに比重を置くかは年代によって変わってきます。

今回は60歳以上が心がけたい「生活」についてみていきたいと思います。

アルツハイマー病は20年近くかけて病変が進行するといいます。

アルツハイマー病をはじめとする認知症のほとんどは、
「始まり」がわかりにくい病気です。

かといって、認知症の始まりかどうかを見分けるのに、
まったく手がかりがないかというと、そうでもありません。

やはり60歳以上になりましたら、
認知症の早期発見にも気にかけておきたいところです。

認知症と診断されたとしても、早期から適切な治療やケアをすることで、
生活機能が維持されたり、介護負担が軽減されたりします。

そのため、認知症対策は早期発見・早期対応が基本となっています。

認知症の症状が進行し出すと、行動パターンに変化がみられるようになります。

認知症が進行した場合、何がどう変化するのかを知っておくと、
早期発見の手助けになりますので、覚えておくとよいでしょう。

その際は、東京都が無料公開している

「知って安心 認知症」パンフレット(PDF形式:2.20MB)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/05/DATA/20o5u200.pdf

が参考になります。

同パンフレットのP5-6に、
「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」として、
10個のチェック項目が記載されています。

この10個の設問をチェックしていくことで、
認知機能や生活機能の低下を知ることができます。

また、このチェックリストは認知症だけでなく、
認知症の予備群であるMCI(軽度認知障害)の発見にも
使うことができます。

また、ほかにもよくみられる
認知症の初期段階での行動パターンとしては

・ずっと同じ服を着ている
・予備があっても同じものを買ってくる
・財布が小銭だらけ(お金の計算ができないためお札で支払う)
・質問にはぐらかして答える(取り繕っている可能性がある)
 例えば「昨日の夕食は何を食べましたか?」⇒「たいしたものは食べていない」

というのがあります。

どうもあやしいとなりましたら、認知症を疑って、
早期に医師の診断を受けるのをおすすめします。

先送りにして状況が好転することはほぼありませんし、
先手を打つことで、認知症とうまく付き合うことも十分に可能です。

以上、まとめますと、
60歳以上が心がけたい生活内容としては、
今回ご紹介したチェックリストなどを使って、
自分や家族の変化に早い段階から気づけるようにしたいところです。


60歳以上の認知症予防:運動編


認知症の発症原因は、70近くあるといわれていますが、
割合ではアルツハイマー病と脳血管障害で約7割をしめています。

この2つの認知症の発症原因を回避することから
認知症予防はスタートするといえます。

近年の研究からは、脳血管障害だけでなく、アルツハイマー病も
運動や食事などの生活習慣が関係していることがわかっています。

生活習慣であれば、多くの場合でコントロールが可能で、
生活習慣を見直すことで、認知症に強い脳とからだ作りが達成されます。

とはいえ、認知症に強い生活習慣を確立するにあたり、
どこに比重を置くかは年代によって変わってきます。

今回は60歳以上が心がけたい「運動」についてみていきたいと思います。

認知症の危険因子の中でも特に危険度が高い、
最凶の危険因子とも呼べるものは「運動不足」です。

アルツハイマー病の危険因子の危険度を調べた
米国の調査研究から、高血圧や喫煙、うつ以上に、
運動不足が大きく影響していることがわかっています。
(Barnes DE, Lancet Neurol 2011)

逆に息がはずむ程度の「有酸素運動」を定期的に行うと、
記憶を司る海馬を萎縮から守ることが指摘されています。
(Erickson LI,PANS 2011)

つまり、認知症予防において、有酸素運動は
危険因子を減らしながら、抑制因子を増やすという
一石二鳥の予防法なのです。

そして、運動習慣が認知機能にもたらす利益は
生涯にわたり蓄積されていくと考えられています。

青年期・中年期に運動習慣があった人は、その蓄積により
高齢期における認知症の発症リスクが減少することになります。

とはいえ、高齢期に入るまで運動をしてこなかった
お父さんはどうぞご安心ください。

この時期から運動をはじめても、遅すぎることはなく、
認知症の発症リスクが抑えられるという研究結果があります。
(Almeida OP, et al. Br J Sports Med 2014)

また、60歳を過ぎてから運動をはじめる方は、
よい意味で自身の身の丈がどれほどかを知っていますので、
無理をせず、長続きする傾向があります

それに初心者からはじめますと、
多くの運動で目に見えてどんどん上達していきますので、
取り組んでいても達成感があり、楽しくなります。

60歳以上の認知症予防を目的にした運動でしたら、
早歩き、ジョギングなどの有酸素運動がおすすめになります。

また、中高年に人気のカラオケも
心臓に負担がかからず、皆と楽しめる有酸素運動です。

例えば、晴れの日はジョギング、雨の日はカラオケのように
晴れの日と雨の日それぞれに取り組む有酸素運動を決めておくと、
取り組みが中断されないため、長続きしやすいです。

以上、まとめますと、
60歳以上が心がけたい認知症予防のための運動としては、
晴れの日でも雨の日でも有酸素運動を心がけるとよいでしょう。

世知辛い世の中において、人と金は裏切りますが、
やり続けた運動は裏切ることはありません!

是非とも自分の中にある、運動をしない理由をつぶしていって、
今日から運動をはじめてみてはいかがでしょうか?


60歳以上の認知症予防:食事編その2


認知症の発症原因は、70近くあるといわれていますが、
割合ではアルツハイマー病と脳血管障害で約7割をしめています。

この2つの認知症の発症原因を回避することから
認知症予防はスタートするといえます。

近年の研究からは、脳血管障害だけでなく、アルツハイマー病も
運動や食事などの生活習慣が関係していることがわかっています。

生活習慣であれば、多くの場合でコントロールが可能で、
生活習慣を見直すことで、認知症に強い脳とからだ作りが達成されます。

とはいえ、認知症に強い生活習慣を確立するにあたり、
どこに比重を置くかは年代によって変わってきます。

今回も60歳以上が心がけたい「食事」についてみていきたいと思います。

中年期に限らず、高齢期においても
糖尿病は認知症の危険因子となっています。

アルツハイマー病を「脳の糖尿病」と呼ぶ研究者もいます。

そのため、血糖をコントロールする生活習慣が
認知症予防では大切になってきます。

血糖値が基準値以上に高くならないように心がけていきますが、
高齢者の場合、血糖値を下げ過ぎるにも注意が必要になります。

ちなみに、お父さんは健診時に
「HbA1c」という何かのパスワードみたいな
項目をご覧になりませんでしたか?

血液中のヘモグロビンのうち、糖と結合しているものを
「HbA1c」と呼び、この割合を調べることで、
過去1〜2ヶ月間の血糖値の平均を知ることができます。

HbA1cは、直近の食事や運動、ストレスなどによる影響を受けないため、
血糖コントロールの度合いを知る目安として用いられています。
(逆に血糖値はこれらの影響を受けやすくなっています)

つまり、付け焼き刃な取り組みはHbA1cの数値に反映されないため、
真面目に!?健康的な生活習慣を維持していたかがバレてしまうのです。

およそ6%までを正常としていますが、
高齢者で5.0%未満だと、社会への関心が落ちやすいとされています。

脳はほとんどのエネルギー源をブドウ糖に頼っているため、
糖質の摂取が不足すると、脳活動の低下につながるからです。

社会への関心が低下することで、閉じこもりや不活性な状態を招き、
また、そうした状態がさらに社会への関心を低下させるという
負のスパイラルに陥りやすくなります。

そして、ゆくゆくは認知症になる可能性が高まってしまうのです。

糖質のとり過ぎはよくありませんが、とらないのもリスクがあります。

以上を踏まえますと、60歳以上の食事としては、
適度な糖質を含めたバランスのよい食事を心がけたいところです。

また、食事は食べる喜びや家族団らんにつながっていますので、
味わい楽しむ視点も忘れないようにしましょう。


60歳以上の認知症予防:食事編


認知症の発症原因は、70近くあるといわれていますが、
割合ではアルツハイマー病と脳血管障害で約7割をしめています。

この2つの認知症の発症原因を回避することから
認知症予防はスタートするといえます。

近年の研究からは、脳血管障害だけでなく、アルツハイマー病も
運動や食事などの生活習慣が関係していることがわかっています。

生活習慣であれば、多くの場合でコントロールが可能で、
生活習慣を見直すことで、認知症に強い脳とからだ作りが達成されます。

とはいえ、認知症に強い生活習慣を確立するにあたり、
どこに比重を置くかは年代によって変わってきます。

今回は60歳以上が心がけたい「食事」についてみていきたいと思います。

高齢になると食が細くなりがちですので、
60歳以上では”低栄養”に陥らないことが大切になります。

脳細胞は脂質とたんぱく質で構成されており、
栄養状態はそのまま脳の健康にも影響を及ぼします。

そのため、何かの病気で食事制限が必要でなければ、
栄養をどんどんとるようにします。

群馬県と新潟県に住む70歳以上の約1,150名を対象に
栄養状態と認知機能との関係を調べた調査研究があります。

この研究結果から、低栄養状態だと
認知機能が低下しやすいことがわかりました。

血液検査の項目の中で、
・アルブミン値(血液中のたんぱく質)
・HDL(善玉)コレステロール値
・赤血球数
の3つの指標が、認知機能の低下と強く関連していたのです。

認知機能の低下リスクとしては、
アルブミンが低い人は、そうでもない人と比べて約2倍
HDLコレステロールが低い人は、そうでもない人と比べて約1.8倍
赤血球数が低い人は、高い人と比べて約2.6倍
それぞれ高くなるという結果でした。

つまり、栄養状態が悪く、貧血傾向にある人は、
将来的に認知症になりやすいといえます。

食習慣は長年にわたって心身の健康に影響しますので、
60歳を過ぎたら、自身の食事内容を振り返って、
必要があれば、見直したいところです。

また、高齢の一人暮らしだからと、
麺類など手軽にできる食事ばかりとっていますと、
栄養が偏りがちになります。

特に肉を食べる習慣がない高齢者の場合、
食べているつもりでも、たんぱく質が不足し、
隠れ栄養失調になって、身体が弱まっていきます。

肉にはたんぱく質以外にも
身体を作る材料となる”必須アミノ酸”が
バランスよく含まれていますので、
積極的にとっていきたいところです。

以上を踏まえますと、60歳以上の食事としては、
魚ばかりではなく、肉も含めたバランスのとれた食事を
意識することが大切になります。

————————–
【文献】
Yu Taniguchi, et al.
“Nutritional Biomarkers and Subsequent Cognitive Decline Among Community-Dwelling Older Japanese”
A Prospective Study. The Journals of Gerontology Medical Science (2014)


40~50代の認知症予防:交流編


認知症の発症原因は、70近くあるといわれていますが、
割合ではアルツハイマー病と脳血管障害で約7割をしめています。

この2つの認知症の発症原因を回避することから
認知症予防はスタートするといえます。

近年の研究からは、脳血管障害だけでなく、アルツハイマー病も
運動や食事などの生活習慣が関係していることがわかっています。

生活習慣であれば、多くの場合でコントロールが可能で、
生活習慣を見直すことで、認知症に強い脳とからだ作りが達成されます。

とはいえ、認知症に強い生活習慣を確立するにあたり、
どこに比重を置くかは年代によって変わってきます。

今回は40~50代が心がけたい
「交流」についてみていきたいと思います。

就労の有無、友人との交流や地域活動への参加など、
社会的なつながりが多い高齢者は、認知症の発症リスクが低い
とする研究結果があります。

国立長寿医療研究センターが
2003年に65歳以上だった1万3984人を対象に
約9年間にわたり健康状態を追跡調査したものです。
(日本経済新聞/2017.11.23)

調査項目としては、
・配偶者がいる
・同居家族と悩み相談などをする
・友人との交流がある
・地域のグループ活動に参加している
・働いている
がありますが、どれかに該当する人の場合、
認知症の発症リスクはそれぞれ11~17%低下していました。

また、すべてにあてはまる人は、0か1つの人と比べて
認知症の発症リスクが46%も下がっていました。

高齢期に社会的なつながりを維持していることは
認知症の予防もしくは発症遅延につながることになります。

ということで、40~50代の働く世代における
将来の認知症予防に向けて今から準備しておきたいことは、
今のうちに社会的なつながりを構築しておくことになります。

仕事をしている間は、会社組織と社会的なつながりがあっても
定年後には家族以外になくなってしまう方が、特に男性に多くみられます。

そのため、仕事以外に趣味をもつとよいでしょう。

趣味をきっかけに新しい交流が生まれますし、
活動そのものが認知機能を高める趣味もあります。

このときのポイントとしては、複数の趣味にチャレンジして
曜日ごとに違う運動や習い事をするようにします。

例えば、平日は英語のグループレッスン、土曜日はゴルフなど、
種目を変えながら、いくつか取り組みます。

付き合う仲間が増えれば、それだけ脳が刺激され、
認知予備力(認知力の蓄え)が高まります。

また、同時にコミュニケーション力も鍛えられますので、
高齢期にKY(空気読めない)な人として、周囲から疎まれ、
社会的なつながりが断ち切られるリスクも避けることができます。

そして、趣味のグループ活動は長く続くところもあれば、
自然消滅するところもあります。

人とのかかわりがなくなるリスクを分散する意味でも、
複数の趣味のグループに所属しておくのは理にかなっています。

なお、注意点として、趣味活動に積極的に励むあまり、
家庭のことがおろそかにならないようにしたいところです。


40~50代の認知症予防:生活編


認知症の発症原因は、70近くあるといわれていますが、
割合ではアルツハイマー病と脳血管障害で約7割をしめています。

この2つの認知症の発症原因を回避することから
認知症予防はスタートするといえます。

近年の研究からは、脳血管障害だけでなく、アルツハイマー病も
運動や食事などの生活習慣が関係していることがわかっています。

生活習慣であれば、多くの場合でコントロールが可能で、
生活習慣を見直すことで、認知症に強い脳とからだ作りが達成されます。

とはいえ、認知症に強い生活習慣を確立するにあたり、
どこに比重を置くかは年代によって変わってきます。

今回は40~50代が心がけたい
「生活」についてみていきたいと思います。

仕事や家庭、遊びなどで日々忙しく中年期を謳歌されている
お父さんにおかれましては、睡眠は十分でしょうか?

睡眠不足が続くと、将来における
認知症の発症リスクが高くなる可能性があります。

眠りが足りないと、
アルツハイマー病の原因物質とされている
アミロイドβがたまりやすくなるからです。

この脳のゴミともいえるアミロイドβには、
脳内での量に日内リズムがあります。

アルツハイマー病のモデルマウスを使った実験から
断眠(眠らせない)を続けると、脳内でのアミロイドβの沈着が
約3倍にも増加することがわかりました。
(Kang JE, et al, Science 2009)

この研究からは、脳内のアミロイドβの濃度は日中変動しており、
起きているときは高く、眠っているときは低いことも示されています。

睡眠不足が続き、起きている時間が長いと、
その分脳内のアミロイドβの沈着が増加します。

長年にわたりアミロイドβの沈着が続くようだと、
将来の認知症の発症リスクを高めることになります。

また、中年期の肥満は認知症の危険因子のひとつですが、
睡眠不足が続くと、肥満になりやすい状態にも陥ります。

睡眠が足りないと、食べ過ぎを抑制するホルモンが出にくくなり、
反対に食欲を増進させるホルモンがよく分泌されるようになります。

すなわち、脳の状態が食べたいモードになって、
ついつい食べ過ぎてしまい、結果、肥満を招いてしまうのです。

以上、まとめますと、
40~50代に心がけたい認知症予防のための生活内容として、
睡眠不足の解消を目指していきたいところです。

40~50代における睡眠時間の目安としては、
厚生労働省が2014年に発表した「睡眠指針」が参考になります。

45歳の健康的な睡眠時間の目安を約6.5時間としています。

6.5時間分の睡眠時間をしっかりと確保するには、
睡眠時間の確保を最優先事項にして、そこから逆算して、
起きているときのタイムスケジュールを決めるとよいでしょう。


40~50代の認知症予防:運動編


認知症の発症原因は、70近くあるといわれていますが、
割合ではアルツハイマー病と脳血管障害で約7割をしめています。

この2つの認知症の発症原因を回避することから
認知症予防はスタートするといえます。

近年の研究からは、脳血管障害だけでなく、アルツハイマー病も
運動や食事などの生活習慣が関係していることがわかっています。

生活習慣であれば、多くの場合でコントロールが可能で、
生活習慣を見直すことで、認知症に強い脳とからだ作りが達成されます。

とはいえ、認知症に強い生活習慣を確立するにあたり、
どこに比重を置くかは年代によって変わってきます。

今回は40~50代が心がけたい
「運動」についてみていきたいと思います。

この年代の認知症予防としては、何か選択する際は、
極力、身体を動かすほうの選択肢を選ぶようにします。

例えば、日常生活の中で

・エレベーターと階段があれば、階段を選ぶ
・最寄りではなく、ひとつ手前のバス停で降りる
・家でゴロゴロではなく、10分でも散歩をする
・駐車場では車を遠くに停める

など、少しでもいいので身体を動かすことを心がけていきます。

アルツハイマー病では初期から海馬の萎縮がみられますが、
有酸素運動によって、記憶を司る脳の海馬が大きくなる
という研究結果があります。

有酸素運動によって海馬の容量を大きくしておくことで、
いつしか脳の病変が進んでも、日常生活に支障が出るほど
記憶障害が進行するまで、ある程度時間が稼げることになります。

つまり、認知症の予防や発症遅延につながるのです。

とはいえ、仕事や家庭で忙しい40〜50代のお父さんが
運動のためにまとまった時間を捻出するのは、
なかなか大変なところがあります。

「運動はしたいけれども、時間がとれないなあ」
というお父さんに朗報です。

10分間の軽い運動でも認知機能を高めるという研究結果があります。
(Hideaki Soya, et al, NeuroImage 2014)

また、有酸素運動は細切れに行っても、
まとまった時間で行った場合とほぼ同様の効果が得られる
と指摘する研究者もいます。

「塵も積もれば山となる」ということわざがあります。

運動のためにまとまった時間がとれない場合は、
細切れでもいいので運動を積み重ねて、
トータルの運動量を増やしていきましょう。

一つひとつは小さな運動でも、
その積み重ねが将来の認知症予防につながります。

また、若い頃からの習慣は歳をとってからも継続するものです。

高齢になって身体が衰えてから、身体を鍛えようとしても
さび付いた自転車を漕ぐようなもので、なかなか大変です。

身体がまだまだ動き、気力がある中年期に
日頃から身体を動かし、運動習慣を身につけておくことは、
高齢になってからの身体機能の低下を防いでくれます。

以上、まとめますと、
40~50代に心がけたい認知症予防のための運動内容としては、
細切れの運動でもいいので身体を動かし、トータルで
運動量を稼ぐことを目指していくとよいでしょう。


40〜50代の認知症予防:食事編


認知症の発症原因は、70近くあるといわれていますが、
割合ではアルツハイマー病と脳血管障害で約7割をしめています。

この2つの認知症の発症原因を回避することから
認知症予防はスタートするといえます。

近年の研究からは、脳血管障害だけでなく、アルツハイマー病も
運動や食事などの生活習慣が関係していることがわかっています。

生活習慣であれば、多くの場合でコントロールが可能で、
生活習慣を見直すことで、認知症に強い脳とからだ作りが達成されます。

とはいえ、認知症に強い生活習慣を確立するにあたり、
どこに比重を置くかは年代によって変わってきます。

今回は40〜50代が心がけたい
「食事」についてみていきたいと思います。

この年代においては、男女とも
高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防が
最重要健康目標になります。

そのために普段の食事では、
塩分とカロリーのとり過ぎを避けることが大切になります。

厚生労働省では、生活習慣病の予防を目的とした
食塩摂取量の目標値を以下のとおりとしています。

 18歳以上男性:8.0g/日未満
 18歳以上女性:7.0g/日未満

 出典)日本人の食事摂取基準(2015 年版)

しかし、同省が発表している
「国民健康・栄養調査(平成27年)」によりますと、
食塩摂取量の平均値は10.0g であり、
男性 11.0g、女性 9.2gとなっています。

この10年間では、総数、男女とも減少傾向ですが、
もう一つ減塩に向けての取り組みが必要となっています。

また、美味しいものがたくさんあふれている日本では、
意識しないで食べていますと、摂取量が消費量を超えて
カロリーオーバーになりがちです。

カロリーオーバーは体重の増加となって表れやすいため、
その目安として自分のBMI(体格指数)を知っておくとよいでしょう。

BMIの計算式は、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)となっています。

日本ではBMIが25以上で肥満と判定されます。

そして、BMIが22になるときの体重が標準体重で、
統計データ上は最も病気になりにくい状態といわれています。

ちなみにご飯茶碗1杯は約250kcalありますが、
運動でこの分のカロリーを消費しようとした場合、
ジョギング35分(体重60kg)の運動が必要となります。

ということは、今日は運動したからといって、
気が緩んでパクパク食べていますと、不本意ながら
カロリーオーバーになっているかもしれません。

運動でカロリー消費量を増やすことを考える前に、
まずは食事内容を見直してカロリー摂取量を抑えることを
心がけたいところです。

以上まとめますと、
40〜50代に心がけたい認知症予防のための食事内容として、
減塩を意識し、カロリーとり過ぎに注意することが大切です。


タバコを吸い続ける人にとって不都合な事実


認知症予防の観点からしますと、
タバコを吸うことは、認知症の発症リスクを高める
危険因子でしかありません。

ですが、タバコを吸うメリットをことさらに主張して、
むしろ積極的にタバコを吸っている人が少なからずおられます。

喫煙者の中にはタバコを吸うメリットとして、

「ストレス解消になっている」
「喫煙所は社交場にもなっている」
「毎日税金を納めている」

などをあげる人がいますが、今回は
税金(タバコ税)を取り上げたいと思います。

まず日本たばこ協会の発表によると、
2017年10月における紙巻きタバコの販売実績は
121億本となり、前年同月比ではマイナス14.1%でした。

ちなみに紙巻きタバコの販売数は
平成8年の3,483億本をピークに右肩下がりで減少し続けており、
平成27年では1,833億本とピーク時からほぼ半減しています。

タバコには税金(タバコ税)が課せられていますが、
消費量が減れば、タバコ税の徴収額も減るはずですが、
実はほとんど横ばいで推移しています。

参照:たばこ税等に関する資料(財務省ホームページ)
http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d09.htm

タバコ税は年間2兆円を上回り、
国にとっては貴重な財源となっています。

ただ、税金の徴収額が減っていくのを
国(財務省)が指をくわえて眺めているはずがありません。

とはいえ、このご時世に、タバコをどんどん吸って
(≒税金を納めて)くださいとはいえません。

国は財源を確保するため、喫煙者が減って消費量が落ちた分を
タバコ1箱にかかるタバコ税の増税で補ってきました。

今ではタバコ税の負担は6割にも達しており、
愛煙家は煙を吸っているようでも、
実は国からお金を吸われていたのです。

また、最近流行の加熱式タバコに関しても
国は増税する方向で動いています。

増税により喫煙者が減れば減るほど、
残ったタバコを吸う人の税負担は
さらに重くなっていくことが予想されます。

「毎日税金を納めている」とうそぶいていた人も
あまりの税負担の重さからそうも言ってられなくなりそうです。

ということで、タバコを吸われるお父さんにおかれましては、
家計が火の車になる前にタバコをやめられてはいかがでしょうか?

禁煙は認知症予防につながることはもちろん、
今までタバコによって奪われてきた時間とお金、
さらには精神的自立も取り戻すことができます。


実年齢よりイメージしている年齢が高いと認知症になりやすい可能性


お父さんはご自身の気持ち上の年齢をどのくらいとお考えですか?

NHKドラマ『ひよっこ』の早苗さんにならって

「わしも永遠の25歳じゃわい」

と、そのようにおっしゃるお父さんでしたら、
ちょっと安心することができます。

ご自身の年齢を若くとらえていることは
認知症予防にはプラスにはたらくようです。

といいますのも、高齢者において
実年齢よりイメージしている年齢(主観年齢)のほうが高い場合、
認知症になりやすいと報告する研究があります。

仏国の大学が、65歳以上の高齢者5,748人を対象に
主観年齢と認知症の発症リスクとの関係性について
2~4年間にわたり追跡調査しました。

この研究結果からは、
主観年齢のほうが高い人はそうでない人と比べた場合、
1.3倍近く認知症にかかりやすい傾向にあることがわかりました。

主観年齢が高いということは、
つまり気持ちがすでに老いており、

「もう歳だから」

を言い訳にして何事も倦厭しがちになります。

そうしますと、脳を使わず、身体もあまり動かさない
生活スタイルを送ることになります。

そのような不活性な日常生活の積み重ねの結果として
認知症になりやすいのではと考えられます。

主観年齢は、いわば思い込みの話ですので、
自身のことを若く捉えるのも、老けて捉えるのも自由です。

それでしたら、気持ちではいつまでも「若い」を選択して、
何事にもチャレンジされると、認知症予防につながっていくと思うのです。

————————–
【文献】
Yannick Stephani, et al.
“Feeling Older and the Development of Cognitive Impairment and Dementia”
The journals of gerontology. Series B, Psychological sciences and social sciences.
2016 Jul 19; pii: gbw085.