一般的な認知症診断の流れを知って、受診への不安をなくそう


「おかしいな、認知症かな」と感じた場合、
他の病気と同じように、早めに受診することが
大事になります。

アルツハイマー型認知症の場合、
早い段階から治療を開始することは、
重症化を遅らせることにつながります。

また、一部の治りうる認知症の場合、
発見が遅くなると、治りにくくなる可能性があります。

家族や身近な人に気になる言動がみられた場合、
まずはかかりつけ医に相談してみましょう。

「もの忘れ外来」などの
認知症専門の医師を紹介してもらい、
受診するようにします。

一般的な認知症診断は下記の流れで行われます。

1) 家族や周囲からの情報収集
 日々の症状や病歴などを医師が確認
 ↓

2) 患者の診察・問診
 会話を通して記憶力などを医師が確認
 ↓

3)認知機能検査
 MMSEや改訂長谷川式簡易知能評価スケールなどを用いて
 認知機能を客観的に評価
 ↓

4)諸々の検査
 脳の状態を調べる検査や身体の状態を調べる検査など
 ↓

5)認知症の原因となっている病気の診断、家族への説明
 すべての結果を元に医師が総合的に認知症かどうかを診断

なお、診断の際は家族からの問診が大切になりますので、
本人の日常の様子をよく知っている家族が同行するようにします。

以上、一般的な認知症診断の流れをみてきました。

認知症診断で何が行われるかがわからず、
不安を覚えて、受診をためらう方がおられるかも知れません。

ですが、おおよそでも認知症診断の予備知識があることで、
不安が解消され、受診につながりやすくなります。

認知症治療は医療機関への相談がその第一歩となりますので、
ためらわず、病院に行くことが大切になります。

また、認知症と診断されなかった場合でも、
年齢とともに認知症の発症リスクは高まっていきますので、
定期的に受診することも心がけたいところです。


認知症にかかりやすいのは男性か女性か


認知症はさまざまな要因によって
引き起こされる病気です。

認知症の有病率に、男女差という要因は
どの程度関係しているのでしょうか?

男女差について検証した研究報告があります。

参考資料:平成23年度 筑波大学 朝田隆提出資料 P19(厚生労働省)

これを元に認知症有病率の男女差について
みていきたいと思います。

認知症の発症原因において半分以上の割合を占めるのが、
アルツハイマー型認知症です。

アルツハイマー型認知症の有病率では、
女性は男性より1.4倍ほど多いとされています。

なぜ男女差が生じるかは、諸説があり、

アルツハイマー型認知症は加齢がリスク要因であるため、
平均寿命が長い女性のほうが、自ずと発病者が多くなる

女性の健康を守ってきた女性ホルモンの分泌が
閉経後は低下するため、その恩恵が受けられなくなる

男性のほうが女性と比較して、脳容量が大きい分
認知予備力の蓄えも大きくなる

などと考えられています。

では、認知症の発症において、
男性は女性より安心できるかというと
実はそうでもなかったりします。

認知症の発症原因の中で
アルツハイマー型認知症に次いで多いのは、
脳血管性認知症です。

脳血管性認知症の有病率では、
男性のほうが女性より1.9倍ほど高くなっています。

三大生活習慣病(がん・脳卒中・心臓病)による
死亡率をみてみると、男性のほうが女性より高くなっています。

参考資料:死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(厚生労働省)

不摂生な生活スタイル、
過度の飲酒や喫煙などの生活スタイルは
生活習慣病につながりやすいです。

男性のほうが、こうした生活スタイルをとりやすく、
その分動脈硬化が進行し、脳血管性認知症の発症リスクを
高めていると考えられます。

「まさにわしのことではないか」と、
どきっとされたお父さんがいらっしゃるかも知れません。

ストレスも認知症にはよろしくないのですが、
驚かすつもりはありませんでしたので、どうぞおゆるしください。

以上を踏まえますと、
認知症予防の活動目標を考える際、
男女で少し比重を変えるといいかも知れません。

例えば、受験対策では、
限られた勉強時間の中でも合格圏に近づけるように
まずは苦手分野から克服していきます。

限られた時間の中で、
成果を出すという意味においては
受験対策も認知症予防も同じです。

受験対策と同じ考え方を認知症予防にもあてはめて、
苦手な分野の克服から予防活動に取り組むのもいいでしょう。

男性の場合は、
脳血管性認知症の発症リスクを抑えるべく、
生活習慣病の改善に取り組む、すなわち
運動不足の解消や食生活の見直し、禁煙など
生活スタイルを見直していく。

女性の場合は、
アルツハイマー型認知症の発症リスクの抑制につながる、
運動、食生活、知的活動、人とのつながりの活動を増やす。

・・を心がけると、認知症予防がさらに効果的になると思います。


アルツハイマー型認知症の兆候に気づく質問


認知症の症状として、
よく知られているのは「もの忘れ」です。

老化に伴うもの忘れは、
誰にでも起こりうるもので、
特段気にする必要はないかと思います。

ですが、認知症によるもの忘れの場合は
早い段階でその兆候をみつけて、
医師の診断を受けるなど、早い対応が大切になります。

認知症の発症原因によっては、
適切な治療で治る可能性があります。

認知症の場合でも、早い段階から治療することで
重症化の遅延や行動・心理症状の軽減につながります。

認知症によるもの忘れの場合、
中核症状の記憶障害がみられるようになります。

記憶障害が表れているかどうかに気づくためには、

「昨日の夕食は何を食べましたか?」

と、本人に質問するのはひとつの方法です。

ただ、質問する側も記憶があいまいではいけませんので、
事前にメモを取る、撮影する等、正解を確認しておきます。

質問してみて、5品のおかずのうち、
3つくらい正しく答えられていれば、
一旦は認知症の心配はなさそうです。

しかし、アルツハイマー型認知症の場合、
取り繕っているケースがありますので、
注意が必要になります。

前日の夕食に食べたものを質問されたとき
アルツハイマー型認知症の人の場合、

「たいしたものは食べてないなあ」

「前日の残りものだった」

などと答えることがあります。

一見、ごく自然に受け答えをしていて
会話が成立しているようにみえます。

実は食べたものを覚えていなくて、
具体的に答えられないだけの可能性があります。

もちろん、本人には騙す気はなく、
覚えていないことを悟られないように、
うまく取り繕って、そのような答え方をしているのです。

他にも認知症のサインがみられるようであれば、
認知症を疑って、早期に医師の診断を受けるといいでしょう。

他の認知症のサインについては、
東京都が無料公開している

「知って安心 認知症」パンフレット(PDF形式:2.20MB)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2014/05/DATA/20o5u200.pdf

が参考になります。

同パンフレットのP5-6に、
「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」
として、10個のチェック項目が記載されています。

認知症対策は、早期発見・早期対応が基本です。

今回ご紹介した質問やチェックリストを使って、
まずは自分や家族の変化に早い段階から気づきたいものです。


【セミナー報告】認知症予防の今と未来を知る特別セミナー:認知症予防事業の将来性と最新の認知症予防研究事例


2017年3月12日(日)に、LEC東京リーガルマインド中野本校(東京都中野区)にて、一般社団法人元気人として初開催となるセミナー「認知症予防の今と未来を知る特別セミナー:認知症予防事業の将来性と最新の認知症予防研究事例」を開催しました。

セミナーの概要についてはこちらです。

まず、今回のセミナー開催は、LEC東京リーガルマインド様のご協力をいただき、実現することができました。

ご尽力いただきました関係者の皆さまに深く感謝申し上げます。

認知症予防に関する情報は、直接の対象となる高齢者向けには、書籍・雑誌、講演会などを通じて提供されています。

しかし、高齢者に向けて認知症予防の講演や予防プログラムを提供する、認知症予防事業に携わる事業者向けのセミナーは、なかなか少ないと感じております。

そのため、事業者向けに認知症予防事業関連の有益な情報を届ける機会を設けるべく、今回のセミナーを企画した次第です。

認知症予防の専門家として、2人の講師、東北公益文科大学名誉教授 渋川智明先生と東京都健康長寿医療センター 鈴木宏幸先生をお招きし、ご講演をいただきました。

セミナーには、約40名の方々にご参加いただきました。

大阪、名古屋、福岡からもお越しになられた方がおられ、参加された方の関心の深さを実感しました。

セミナーは2部構成で、第一部では基調講演として「認知症予防事業の将来性について」の題目で、東北公益文科大学名誉教授 渋川智明先生にご講演をいただきました。

東北公益文科大学名誉教授 渋川智明先生

渋川先生には講演の中で、

「これまでの高齢者施策や認知症施策は、制度設計者側の考えが色濃く出て、当事者の声やニーズが必ずしも反映されてこなかった、今後は当事者目線で制度設計が行われる必要がある」

「認知症予防事業は、儲けを優先するだけではダメで、いつしかモラルハザードを引き起こしかねないため、事業者は社会貢献の意識をもつことが大事になってくる」

など、認知症予防事業に携わる事業者に向けて示唆に富む話をいただきました。

続く第二部では「最新の認知症予防研究事例」の題目で、東京都健康長寿医療センター 鈴木宏幸先生にご講演をいただきました。

東京都健康長寿医療センター 鈴木宏幸先生

鈴木先生には講演の中で

「薬での認知症改善は、これまで有力視されていた薬があったが、効果なしとなった、非薬理的活動による認知症予防の重要性が増してきた」

「認知機能は社会で生きていくために身につけた機能であるが、仕事を離れるなどして、使わなくなるとその機能は落ちてくる、そのため日常生活全般を通して活動に取り組むことが大切である」

など、最近の研究事例を引き合いに出しながら、認知症予防についてお話をいただきました。

あと、当日ご参加いただいた方からは次のようなお声をいただいております。

▼ 第一部「認知症予防事業の将来性について」に参加された方からの声
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障害者福祉との関係や介護保険の負担範囲拡大など、今後の見通しに関する新たな知見が得られ、有益であった。
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認知症予防に関する事業に焦点をあてたセミナーはなかなかなかったので、とても勉強になりました。ありがとうございます。
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現状や国の制度・施策についてわかりやすく教えていただいた。認知症予防事業の将来性は、障害と一体化した地域コミュニティのシステム作りが大切であることがわかった。
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認知症を取り巻いている現状や将来予測について網羅的にご説明いただき、これまでの歴史も踏まえた講演内容だったので、かなり頭の中が整理できた。
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事業の現状や将来性の考え方がよくわかりました。
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高齢化社会における全体像について理解することができました。
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▼ 第二部「最新の認知症予防研究事例」に参加された方からの声
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日頃地域の高齢者の方と接することが多いため、地域に密着した企業として何かできることがないかと考えていました。とても参考になりました。ありがとうございます。
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新しい研究の情報を知ることができ、大変役に立ちました。もっと先生の話を聞きたいと思った。
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とても完結にわかりやすく、最新の認知症予防事例を紹介していただき、自分一人では得ることが難しい知識をふんだんに取得できた。
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薬の効果が見込めない中で、認知症を予防するため、どのようなことが効果的なのかを理解することができました。
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自分のやりたいことが明確になりました。
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ご参加いただいた方にはアンケートをお願いしましたが、ほとんどの方からご満足の声をいただき、主催者側として大変喜んでおります。

ご参加いただきました皆さまに感謝申し上げます。

一般社団法人元気人は、地域の認知症の発症を予防し、誰もが笑顔で元気に暮らせる社会を実現したいと考えています。

そのためには認知症予防に携わる人材育成が不可欠であり、今後も有益な情報をお届けできるように、セミナーを継続して実施する予定です。


認知症予防は健康管理から


一部の発症原因を除き、
認知症は発症すると元に戻らない病気のため、
まずは認知症発症を予防(遅延)することを
心がけることが大切になります。

認知症の発症原因では、
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症が
その7割近くを占めています。

もしも、生理学的に脳の老化が進んでいる場合、
この2つの認知症を発症するリスクが高まります。

実際に高齢者の認知症では、
脳梗塞などを合併した混合型が多くみられます。

脳の老化を早めてしまう筆頭要因は生活習慣病です。

生活習慣病を発症していると、
動脈硬化が進行し、脳梗塞を発症しやすくなります。

そして、脳梗塞が生じた部位によっては、
脳血管性認知症を発症し、また脳梗塞がある脳では
アルツハイマー型認知症も発症しやすくなります。

認知症を予防する上では

生活習慣病の改善に取り組むこと、
すなわち、健康管理が大切です。

具体的には、
壮年期の内臓型肥満、高血糖、高血圧、脂質異常症などの
改善に取り組むことです。

健康診断などで、生活習慣病が指摘された場合、
自覚症状がないからといって、軽視しないようにしましょう。

生活習慣の改善と必要なら治療を受けることが
認知症予防につながります。

また、あまり重要視されていないケアのひとつに
歯と口腔のケアがあります。

噛むことは、脳を刺激しますし、
残存歯が少ないと脳の働きに悪影響が出るともいわれています。
(義歯を使用することで、なくなった歯の働きを補うことができます)

芸能人に限らず、お父さん方にとっても歯は命なのです。

以下に認知症を遠ざける健康8ヶ条をご紹介します。

このチェックリストにチェックがたくさんつくように
生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか?

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□ 健康診断の結果を放っておかない

□ メタボリックシンドロームを予防する

□ よく歩く習慣をつける

□ 転ばないように筋力をつける

□ 歩きやすく転びにくい靴を選ぶ

□ 頭をぶつけない

□ 自分の歯と健康な歯ぐきを残す

□ かかりつけ医を持つ

(出典:羽生春夫著『認知症を予防する生活習慣』)
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浜松市社会福祉協議会様での講演会において、認知症予防講演を実施


2017年3月11日(土)に、みをつくし文化センター(静岡県浜松市)にて、浜松市社会福祉協議会様からのご依頼で認知症予防講演を実施しました。

東京都健康長寿医療センターの宇良千秋先生が講師として登壇され、「認知症の予防と支援;認知症とともに暮らせる社会を目指して」という題目で90分にわたり、認知症の予防と将来の発症に備えて心がけたいことについてお話いただきました。

約80名の市民の方々がご参加され、参加された皆さまからは大変な好評をいただきました。

宇良先生は講演の中で、

「今後は一人暮らし高齢者が増えるのが問題になっている、何かあったときに声をかえてもらえる、助けてもらえる関係を今のうちに築いておくこと」

「家族に認知症の症状がみられたとき、危ないからと何もさせない方が危ない、作業内容を変更するなどして、家の中での役割を奪わないことが大切」

など、認知症予防や将来の認知症に備えたときのお話をされました。

認知症は、脳の老化が影響しているため、誰もがいつかはかかる可能性がある病気です。

健康なうちから予防活動に努めることで、認知症の発症時期を遅らせることが可能性が高まります。

また、早い段階から将来の認知症発症に備えた準備をすることで、選べる選択の幅が広がります。

特に将来の認知症発症に備えて重要となるのは、人とのつながりです。

人とのつながりがある人は、認知症発症後でも、周囲から手助けを受けながら、発症前と変わらない生活を送るくことができます。

今回の認知症予防講演をきっかけに、浜松の地理的特性をいかした認知症予防が実施されるのを期待しています。

当法人がまず目指しているのが、認知症に対してどのようにしていけばいいの?と不安を抱えている方々に、正しい認知症とその予防の知識を提供することで、まずは安心していただくことです。

認知症を100%避けることは、現代の医学では不可能で、全員が認知症を発症するリスクがあります。

ですが、適切な活動を行うことで、認知症の発症を遅延させることは十分に可能です。

もし、高齢者の認知症発症を5年遅らせることができれば、認知症発症者は当初の予想よりも半減(約350万人減)するという試算もあります。

認知症に対する不安を解消し、人生の質を高めるために、認知症の正しい理解と予防方法を、当法人は広げていきたいと願っています。

今回の機会を与えてくださった、浜松市社会福祉協議会の関係者の皆さまに感謝申し上げます。

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一般社団法人元気人では、認知症予防講演会における講師の出張派遣を行っております。

認知症予防研究の専門家や講演歴豊富な認知症予防活動支援士などが、「物忘れと認知症との違いは?」「認知症予防のメカニズム」「認知症になっても、人生の質をさらに上げるには?」などを、最新の研究事例を踏まえながら、わかりやすくお伝えします。

認知症予防の講演会を実施するにあたり、講師をお探しの方は、認知症予防 出張講演のページまでどうぞ。


薬による認知症予防は、遠い日の花火のように


先日、治療効果が期待されていた
アルツハイマー病治療薬の臨床試験が
一転して中止となりました。

メルク、アルツハイマー病治療薬の臨床試験を中止
期待から一転(参照:dot.)

開発が臨床試験まで進みましたが、
治療薬を投薬した人とそうでない人との間に差がなく
薬に効果がないことが、研究で明らかになったとのことです。

市販化までも期待されていただけに、
関係者の落胆ぶりはさぞかし大きかろうと思います。

これまで、他にも多くの認知症治療薬が開発され、
治験が行われてきましたが、ことごとく失敗に終わっています。

治療薬の開発に取り組んだ研修者たちの情熱は
まるで遠い日の花火のように、人々の記憶の片隅に
とどまるだけになっています、、、

また、仮に臨床試験を経て市販化されたとしても、
人々が薬の恩恵を享受できるまでには、
経済的課題の壁を超える必要があるだろうとの指摘もあります。

アルツハイマー型認知症は、
加齢に伴う脳の老化が主原因なだけに、
薬で認知症の発症を予防するためには、
生涯にわたり飲み続ける必要があります。

となりますと、
国家レベルの社会問題になっている医療費の増大は
かたちをかえて、また登場することになります。

今は薬を使わない(そもそも薬がないですが)方法で
認知症を予防していくしかありません。

安心できることに、これまでの科学的研究から
認知症の発症を遅らせるのに効果的な方法が
あきらかになっています。

その中でも、
「運動」「食生活」「知的活動」「人とのつながり」の
活動を続けることが、効果的な活動といわれています。

さらにありがたいことに、
これらの活動のほとんどはお金がかからず、
しかも、QOLの維持・向上にもつながります。
(薬と違って副作用の心配もありません)

薬に頼らない、お金もさほど必要としない、
しかし、QOLの維持・向上につながる予防が
今後ますます重要視されていくことでしょう。


軽度認知障害(MCI)の人におすすめの一石三鳥の認知症予防とは?


正常な人が認知症予防において目指すべき目標は、
まずは軽度認知障害(MCI)の予防になります。

MCIとは、正常と認知症の中間状態にあたり、
5年間で約50%の人が、認知症にステージが
移行するといわれています。

逆に、MCIから正常に戻る事例も報告されており、
MCIは、認知症において徳俵に足がかかった状態といえます。

MCIにステージが進行したとしても、
この段階で踏ん張り、正常に戻りたいところです。

MCIの時期に衰えをみせる3つの認知機能として、
1)エピソード記憶
2)注意分割機能
3)計画力
があり、これを効率よく鍛えることが、
MCIの予防においても、MCIから正常への復帰においても
大事になります。

今回は、2)の注意分割機能に焦点をあてて
軽度認知障害(MCI)の人におすすめの
一石三鳥の認知症予防についてみてみたいと思います。

もちろん、この方法は
MCIを予防することにもつながります。

注意分割機能とは、
2つ以上のことを同時に行うときに
適切に注意を配る機能のことです。

注意分割機能を鍛えるには、
「○○をしながら、▲▲をする」
いわゆる「ながら」行為がいいとされています。

MCIの人でも取り組めるながら行為としては、
「身近な人と会話をしながら散歩をする」
がおすすめできます。

会話をしながらも、前方に注意を向ける必要があるため、
聴覚、視覚など2つ以上の注意力を使っていることになります。

簡単な行為のように思えますが、
認知機能の低下とともに難しくなりますので、
実はいい認知機能トレーニングになっているのです。

また、歩くことによって、
足腰などの身体の機能を高めることができ、
身体機能の向上は、脳への刺激となって、
認知機能の向上につながります。

そして、身近な人とのコミュニケーションは
人のつながりを強化し、人間関係の質を高めます。

ちなみに、米国ハーバード大学が
700人近くを75年間追跡した研究からわかった
「幸せな人生を送る秘訣」を発表しています。

富を得ること、有名になること以上に
身近な人とのよい人間関係が、
私たちの幸福と健康を高めるという結果でした。

コミュニケーションは
よい人間関係を築く上で土台となるものです。

「身近な人と会話をしながら散歩をする」では、
認知機能と身体機能を鍛えながら、
そのコミュニケーションを重ねていくことができます。

また、親しい人との会話は
ついつい長話をしてしまうものですが、
その分歩く距離が増えることになりますので、
それは願ったり叶ったりな話です。

あと、MCIになると、
新しい活動を続けるのは難しくなりますが、
一緒に散歩する人がいれば、その活動も長続きしやすいです。

長続きする分、認知症予防の効果が期待できることになります。

以上をまとめますと、
「身近な人と会話をしながら散歩をする」ことで、

ながら行為が注意分割機能を鍛え、
歩くことが身体機能を高め、
会話が身近な人との人間関係をよいものにしていく

・・という一石三鳥の効果が期待できるのです。

もし、お父さん方の中に、

「わしが連れと一緒に歩いたのは、
 新婚の時以来の話じゃわい」

という方がいらっしゃいましたら、
是非とも今日からパートナーを誘って、
散歩に出かけてみてはいかがでしょうか?


納得できる医療、後悔しない医療を目指すオンライン病気事典「MEDLEY」


先日2017年3月3日に、都内のイベントホールにて
「ヘルスケア産業の最前線2017」が開催され、
いくつかの先進的な事例報告がなされました。

経済産業省:「ヘルスケア産業の最前線 2017」

その中で、
オンライン病気事典「MEDLEY」https://medley.life/
が紹介されていました。

株式会社メドレー社が
患者と家族、医療関係者の双方にとって
「納得できる医療」「後悔のない医療」を目指して、
取り組まれています。

「知らなかった」という
患者の後悔をなくすために提供されているのが、
オンライン病気事典「MEDLEY」。

500人を超える医師が共同編纂に携わり、
1500種類の病気、3万種類の医薬品などの情報を
カバーしています。

診療の際、医師が困っていることのひとつは
患者が「インターネットには○○と書いてありました」と、
インターネットの情報を選別することなく過信していること。

ある一部上場企業が提供していた
医療健康情報サイトの記事内容の信憑性が問題になり、
ニュースに大きく取り上げられたのは記憶に新しいところです。

インターネットで検索した際、検索結果の上位に
このサイトの記事が表示されていましたので、
多くの人が信憑性に疑問符がつく情報に触れていたことになります。

「インターネットに書いてあることと、先生の説明が違う」と
不安を抱く患者も出てきて、診療の妨げとなっているケースも
あったようです。

とはいえ、インターネット上の数ある医療情報の中から
本物とそうではない情報を見分けるのは、患者にはかなりの負担です。

それよりも、まずは安心できる情報源を
ひとつだけでも知っておくことの方が
患者は安心できますし、負担も軽くなります。

患者にとっては、
病気に詳しくなることが目的ではありません。

病気が治ることが、本来の目的です。

正しい知識を効率よく学ぶことができれば、
治療の意義もリスクもわかり、
病気の治療に専念することができます。

医師にとっても、
信頼がおける医療情報源があれば、
それを活用することで、
病気や治療の説明も効率化します。

となれば、
医師と患者間のコミュニケーションも
今まで以上にスムーズになることになります。

医師と患者間のスムーズなコミュニケーションは、
納得のできる医療、後悔のしない医療を
達成するためには、欠かせない要素です。

納得のできる医療、後悔のしない医療が
もっと身近になれば、日本が抱える社会問題である
医療介護費の適正化も実現していくことでしょう。


体内時計の可視化で睡眠を改善するウェラブル端末


先日2017年3月3日に、都内のイベントホールにて
「ヘルスケア産業の最前線2017」が開催され、
いくつかの先進的な事例報告がなされました。

経済産業省:「ヘルスケア産業の最前線 2017」

その中で、体内時計を可視化して、
睡眠を改善するサービスが紹介されていました。

参考URL:株式会社O:(オー)

不眠で悩んでいる人は、
国内に2000万人以上おり、
睡眠薬常用者は約500万人にのぼる
といわれています。

認知症と不眠を含む睡眠障害との関連では、
認知症が不眠を引き起こすだけでなく、
逆に睡眠障害が認知症の発症リスクを高めることも
あきらかになっています。

また、不眠は
認知症の危険因子であるうつの発症リスクを
高めるといわれています。

不眠を改善することは、
将来の認知症の発症リスクを抑えることにつながります。

不眠の改善といえば、
睡眠導入剤などの薬の服用が考えられますが、
薬の副作用が気になります。

不眠改善する別の方法として、
「CBT-I」という医学的効果が認められた、
薬を使わない認知行動療法があります。

CBT-Iでは、その人の生活習慣や考え方に焦点をあて、
不眠の症状をもたらすような阻害要因があれば、
それを修正することで、不眠を解消しようとします。

O:(オー)では、
腕時計型のウェアラブル端末と
CBT-Iを基にした体内時計コーチングアプリを
開発しました。

睡眠について、眠った時間や目覚めた時間を
ウェアラブル端末が収集します。

集まったデータを解析して、
睡眠のタイミングや光を浴びる時間についての
アドバイスが提供されます。

体内時計のリズムに沿った最適な行動が取りやすくなり、
不眠の改善につながるというです。

なお、CBT-Iでは、診断にあたり
最初に日常の活動記録をとる必要があるのですが、
それはなかなか大変な作業です。

その大変な作業をウェアラブル端末がしてくれます。

 
使用者は意識することなく、
すべての時間の活動情報を記録することができ、

その分精度があがることになります。

また、日中の時間を記録することで、
活動のパフォーマンスがあがる時間帯もわかるようになります。

パフォーマンスが上がる時間帯に生産性が高い仕事をし、
あまり上がらない時間帯は、雑務をこなすという
仕事ができる人がやっているであろう時間の使い方も

多くの人ができるようになります。
 
 
仕事ができる人が増えれば、
無駄な残業も減っていくことでしょう。
 
 
そうすれば、適正な睡眠時間も確保しやすくなります。

睡眠の質は、人生の質に深く関係し、
認知症の発症とも関係しています。

こうしたデジタル機器が普及することで、
多くの方の不眠の解消と将来の認知症発症の抑制が
実現するのを期待します。