学校から学んだ認知症予防で大事なこと


お父さんにおかれましては、
中年期を迎えた今も何かを学ばれていますでしょうか?

教育歴については、いくつかの調査研究から、
教育歴が長いと認知症の発症リスクが低下することが
わかっています。

勉強に励んで頭を使ったことで
脳内のネットワークが強化されており、その分
日常生活に支障が出るほど認知機能が低下するまで、
時間がかかると考えられています。

このように頭を使うことで、
認知機能を貯金のように蓄えることができ、
その分負けしろが増えると考えるのが、
「認知予備力」という概念です。

教育歴が長い人ほど、認知予備力が高いといえます。

とはいえ、教育歴は過去のことですから、
今さらいわれても、、、というお気持ちはわかります。

ですが、どうぞご安心ください。

歳をとってから知的活動を行っても、
認知機能の低下を遅らせられるという研究があります。

また、教育=○○大学卒、TOEIC○○点という
学歴が手に入るイメージがありますが、
それはおまけみたいなものです。

教育で得られる真の効果とは、
一生涯にわたりその人の豊かさに寄与する
考え方や良習慣を習得できることだと思います。

教育歴の長い人は、その教育をとおして
意識的・無意識的に

「未来のあるべき姿のために
 今の自分を律し、行動できる」

という行動習慣を身につけています。

認知症予防においても、この行動習慣がある人は、
その取り組みを実のあるものにすることができます。

過去の教育歴は今更変えることはできません。

ですが、教育歴の長い人が身につけてきた
「未来のあるべき姿のために今の自分を律し、行動できる」
という行動習慣は、今からでも身につけることができます。

では、どのようにこの行動習慣を身につけるかですが、
別の機会で取り上げたいと思います。


治りうる認知症その4:ビタミンB12欠乏症


治りうる認知症のひとつに
「ビタミンB12欠乏症」があります。

人は生まれてから死ぬまで、その生命活動を維持するために
さまざまな種類の食品を食べ続ける必要があります。

その食べ物に含まれる栄養素は、
主に次のような働きをしています。

1)エネルギー源になる
2)体の組織(筋肉、血液、骨など)をつくる
3)体の調子を整える

その栄養素の中で、ビタミンは
全身の健康を維持する働きをしています。

ビタミンは体内でほとんど作ることができないか、
作ることができても量が足りないため、
食品から摂取し続ける必要があります。

今回取り上げるのは、ビタミンB12(別名コバラミン)です。

このビタミンは、赤血球やDNAをつくるために
必要なビタミンとなっています。

また、神経機能を正常化させる働きもあります

体内に取り込まれたビタミンB12は、主に肝臓に蓄えられ、
ストックがあるため、通常は足りなくなることはありません。

ですが、高齢者ではビタミンB12の吸収力が
低下していることがあります。

ビタミンB12が欠乏してくると、
手足のしびれが取れない、白髪が急に増えるほか、
認知機能の低下がみられるようになります。

血液検査でビタミンB12の値を調べれば、
ビタミンB12欠乏症かどうかが診断できます。

ビタミンB12の静脈注射を数回行うことで
症状が改善していきます。

予防としては、
ビタミンB12を含まれる食品を
日常的に摂取することです。

ビタミンB12は動物性食品に含まれている栄養素で、
特に多く含む食品は、しじみやかきなどの魚介類やレバーなどです。

植物性食品ですと、のりに含まれています。

特に菜食主義の人は、ビタミンB12不足に陥りやすくなりますので、
なるべくのりかサプリメントで摂取するとよいでしょう。


治りうる認知症その2:慢性硬膜下血腫


治りうる認知症のひとつに、
「慢性硬膜下血腫」があります。

頭蓋骨のすぐ内側に硬膜があり、
これは文字通り硬い膜で、脳を包んで
脳を外傷や感染から守ってくれています。

何かのきっかけで頭をぶつけたときに、
硬膜の内側に血の塊(血腫)ができ、
その血腫が脳を圧迫するときがあります。

この状態が「慢性硬膜下血腫」になります。

加齢により、血管がもろくなってきた高齢者にみられ、
特にお酒好きの男性に多い病気です。

日常的なアルコール摂取により、
血管がダメージを受けていることに加え、
酔っ払って転倒する機会も多いからです。

救急車を呼ぶほどの大けがではなく、
ちょっと頭をぶつけてこぶができた程度でも
血腫ができることがあります。

とはいえ、ちょっと頭をぶつけたので、
心配だからと、すぐに病院に出かけてCTを撮っても、
そのときは異常が見つからないのがほとんどです。

通常は1~2ヶ月ほどかけて、硬膜と脳との隙間に
じわじわと血が貯まって、脳を圧迫するようになります。

血腫により脳が圧迫されると、
意欲の低下、もの忘れ、トイレの失敗、歩行障害など
認知症に似た症状がみられるようになります。

慢性硬膜下血腫の治療は、多くの場合で、
比較的短時間で終了する外科手術が行われます。

局所麻酔をして頭蓋骨に小さな穴を開け、
うまく血腫を取り除くと、症状が改善されます。

高齢だから認知症は仕方がないあきらめるのでなく、
転倒や何かに頭をぶつけたことに心当たりがあれば、
脳神経外科で診察を受けてみるとよいでしょう。

慢性硬膜下血腫の場合、正しく診断がなされて
適切なときに治療が行われれば完治しやすい病気です。

しかし、血腫が形成されてから時間が経ってしまうと、
血腫を取り除いても、脳が圧迫されたときのかたちのまま
戻らなくなりますので、早期発見が大事になってきます。

高齢者の場合、慢性硬膜下血腫の予防は、
まずは転倒など頭をぶつけるリスクを減らすことになります。

自宅室内で転倒する高齢者の数が多いというデータがあります。

転倒リスクを高める要因である、
筋力の低下、滑りやすい床、手すりの不備、
運動能力に適しない生活様式などの解消を
考える必要があります。

中年期を謳歌しているお父さんにおかれましては、
日頃からお酒や塩分の過剰摂取を控えて、
血管年齢を若く保つことを心がけたいところです。


治りうる認知症その1:正常圧水頭症


治りうる認知症に「正常圧水頭症」があります。

正常圧水頭症は、脳と脊髄の周囲を満たしている
水(脳脊髄液)が原因で起こる病気です。

脳脊髄液は、脳の中央にある脳室で毎日作られており、
やわらかい脳を硬い頭の骨との衝撃から守る働きをしています。

お豆腐パックの中には水がパンパンに入っていますが、
その理由は持ち運びの衝撃で豆腐が型崩れしないようにするためです。

脳脊髄液は、お豆腐パックの中の水と同じ役割を担っており、
頭蓋骨の中にあるやわらかい脳を衝撃から守っているのです。

今日、スーパーでお豆腐パックを見かけましたら、
脳脊髄液のことを思い出されるといいかもしれません。

この衝撃から脳を守ってくれている脳脊髄液ですが、
何かしらの原因により脳室にたまりすぎるときがあります。

すると、周りの脳が圧迫されてさまざまな症状がでるようになります。

正常圧水頭症には3つの主な症状があり、以下のとおりです。

1)歩行障害 歩行が不安定に
・足が上がりにくくなる
・すり足、小刻みにしか歩けない
・方向が変えにくい
・うまく止まれない

2)認知症 特に精神活動の低下がみられる
・意欲や集中力が低下する
・趣味や家事をしなくなる
・表情が乏しい
・声がけへの反応が鈍くなる
・もの忘れも次第に強くなる

3)尿失禁 トイレが近い・間に合わない
・尿意を我慢できる時間が短くなる
・頻尿
・失禁

正常圧水頭症の病気で大切なことは、
これらの症状は標準的な手術で治る可能性が高いことです。

このことから、治りうる認知症の代表格ともいわれています。

とはいえ、何事にも適した時期というものがあり、
正常圧水頭症も例外ではなく、手術に適した時期があります。

時間がしばらく経ってしまうと、手術を受けても
脳が元に戻らず、症状の改善が期待できない場合があります。

正常圧水頭症からくる認知症を治す上では、
早期発見・早期治療がポイントになります。

特に認知症が進んでいるわけでもないのに、
急に失禁するようになったら注意が必要になります。


知っておきたい治りうる認知症


「認知症」は病名ではなく、
症状が集まった状態のことで、
医学用語では「症候群」といいます。

例えば、今日は熱っぽいなというときには、
熱っぽいのが症候群にあたります。

その熱っぽさには、
ウイルス感染であったり、扁桃腺の腫れであったり、
疲れからであったりと、さまざまな原因が考えられます。

症候群である認知症にもさまざまな原因となる疾患があり、
その数は70近くあるといわれています。

認知症の原因の7割近くを占めるのが、
アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症です。

現時点では、
アルツハイマー病の根治薬はみつかっておらず、
脳血管性認知症も完治させる治療法がありません。

ですが、中には早期に適切な治療を行うことで、
症状が改善する可能性が高い認知症があり、
認知症の原因疾患の10%ほどを占めるといわれています。

代表的なものとしては、
1)正常圧水頭症
2)慢性硬膜下血腫
3)甲状腺機能低下症
4)ビタミンB12欠乏症
があります。

これらの病気は、記憶障害や歩行障害などがみられ、
日常生活に支障をきたす場合もあるため、
アルツハイマー病と疑われる場合があります。

ところが、本文も家族も
「年のせいだから」「認知症は治らない」と思い込み、
症状が出ているのに放っておくと、治療のチャンスを
逃してしまうことになります。

認知症のサインが疑われたら、
まずは医師に相談することが望ましいです。

受診して治りうる認知症であるとわかった場合、
適切な治療を受けて、認知症が治る可能性があります。

とはいえ、人は想定外のことに遭遇すると、
動転して、事実を受け入れられなかったり、
うまく行動できなくなったりするのも事実です。

未来を想定して、事前にとるべき行動を決めておくと、
選択の局面で間違わない可能性が高くなります。

災害時の訓練と同様の考え方です。

人は災害に遭遇して気が動転しているとき、
確信をもって判断を間違える可能性が高いため、
災害時にとるべき行動を平時に考えて決めておきます。

認知症のサインが疑わしいのに
「病院に行こうか、それとも経過観察しようか」と
そこから判断していると、

迷っているうちに病院に行くタイミングを逃して、
気がついたときには時間だけが経過していた
・・ということになります。

認知症のサインがみられた場合には、
有無を言わさず自分は病院に行くことを決めて、
家族にもそう話しておき、病院も事前に選んでおくといいでしょう。

このように事前に行動を決めておくことで、
認知症の早期発見、早期治療につながり、
治りうる認知症であれば、確実な治療に向けて
進んでいけるようになります。

今選択したこと、今行動したことが将来の自分を守ることになるのです。


認知症のサインとそれを活用するための大切な考え方


アルツハイマー病は
20年近くかけて病変が進行するといいます。

アルツハイマー病をはじめとする認知症のほとんどは、
「始まり」がわかりにくい病気です。

認知症の始まりかどうかを見分けるのに、
まったく手がかりがないかというと、そうでもありません。

医師や研究者らの手によって、
認知症を疑われるサインがまとめられています。

ほとんどの認知症は記憶障害、
いわゆる「もの忘れ」の症状からみられます。

その後、意欲の低下や言動の変化が伴うようになり、
家族や周囲の人が「おかしい」と気づくようになります。

下記の項目がいくつかあてはまるようであれば、
認知症の初期段階である可能性があります。

医師や地域包括支援センターなどに早めに相談するとよいでしょう。

<家族が気づく認知症のサイン>

・同じことを何度もいう、何度も聞いてくる
・午前中に話したことを、午後にはもう忘れている
・人の名前やものの名前が出てこない
・ものを置き忘れたり、しまい忘れたりすることが多くなった
・財布や大事なものを盗まれた、お釣りをごまかされたなどと
 訴えることがある
・待ち合わせの時間や場所を間違えた
・同じ食品を続けて買ってきてしまう(主婦の場合)
・つくり慣れているはずの料理の手順がわからなくなった
 (段取りができない)
・毎日、同じ服ばかり着ている
・だらしなくなった
・日課にしていたことをやらなくなった
・好きだったことに興味を失ったように見える
・ちょっとしたことですぐ怒ることがある
・買い物で代金を支払うときに、小銭を出さないで毎回お札を出す
 (組み合わせて支払えない。財布が小銭でパンパンになっている)

(出典:羽生春夫著『認知症を予防する生活習慣』P59)

とはいえ、これらの項目がいくつかあてはまったとしても、
本人や家族がすんなりと受け入れるかどうかは別問題です。

本人に自覚症状がなく、
日常生活にもさほど支障がでていないようですと、
かえって受診が遅れるケースがみられます。

多くの方はちょっとした風邪の症状でも、
すぐに病院に行くものです。

ですが、認知症の場合だと、
病院に行くのを躊躇する人がいるのは、
さまざまな要因があるにせよ、本人や家族の意識の中に

「認知症=人生の終わり」

という認知症への誤解があるからと思います。

この誤解を信じている人にとっては、
認知症のサインがいくつかみられたという事実は
「終わりの始まり」を意味しますので、
到底受け入れられないことになります。

この場合、認知症のサインは、
本人や家族の絶望感を深めるきっかけになっただけになります。

認知症のサインは、
早期受診や早期対応のきっかけにするのが本来の使われ方です。

もし、単に絶望感を深めるだけであれば、
知らなかったほうがよかったかも知れません。

ですが、どうぞご安心ください!

事実、認知症=人生の終わりではありませんし、
人は歳をとればとるほど、程度の差はあれ、誰でもボケていくものです。

認知症を発症しても、家族や周囲に囲まれながら、
生活に工夫をこらして、幸せに暮らしている人はたくさんいます。

また、人には生老病死が定められているように
人がボケていくのは人生の既定路線ですから、
悩んでも仕方がない面もあります。

認知症予防を伝える場合、
認知症予防の意義や具体的な方法と同時に、
こうした認知症の誤解を解いていくことも大事になります。

認知症予防の大切さが強調されるあまり、
認知症になった=予防に失敗した=人生の終わりと
捉えてしまう人を増やしてしまっては意味がありません。

道具には本来の目的にあった使い方をする必要があり、
人に道具を渡すときは、その使い方も含めて教えるのが通例です。

認知症のサインは認知症予防を実現するための有効な道具のひとつです。

認知症のサインは、その本来の使い方も理解して、
早期発見⇒早期絶望ではなく、早期発見⇒早期受診・対応
となるように活用することが大切になってきます。


【勉強会報告】認知症予防の勉強会:認知症予防とメンタルヘルス


2017年6月18日(日)に、LEC東京リーガルマインド水道橋本校(東京都千代田区)にて、認知症予防の勉強会「認知症予防とメンタルヘルス〜高齢者のためのストレスコントロール〜」を開催しました。

勉強会の概要についてはこちらです。

まずは今回の勉強会の開催は、LEC東京リーガルマインド様のご協力をいただき、実現することができました。

ご尽力いただきました関係者の皆さまに深く感謝申し上げます。

一般社団法人元気人では、大学や研究機関に蓄積されている認知症予防の知見や最新の研究成果を、より早くよりわかりやすいかたちにして、認知症予防の現場で必要とする方々にお届けするべく、毎月勉強会やセミナーを開催しています。

今回は、認知症予防の専門家として、東京都健康長寿医療センター 小川将先生をお招きし、「認知症予防とメンタルヘルス〜高齢者のためのストレスコントロール〜」というテーマで、ご登壇いただきました。

小川先生はお話の中で、

「認知症発症に至るまでには、脳内では脳内アミロイドβの沈着増加、
 海馬の萎縮、炎症などの現象が生じている。
 これらの現象の発生にはうつが関係していると考えられている」

「うつの発症原因のひとつは過度のストレスであるが、
 人生に起こるさまざまなライフイベントは、よいことでも悪いことでも
 ストレッサー(ストレスを与える刺激)になりえる。
 また、ストレッサーは小さくても続くと蓄積していく」

「日常的に感じるストレスが多くなるほど、通常よりも
 認知機能の低下時期を早めることが指摘されている」

「ストレスコントロールには、ストレッサーに対する
 受け止め方を変えていくことが大切であるが、
 人とのつながりは、その受け止め方をよくするきっかけになる」

「相手への気遣いなどから他人に話せないときでも、
 紙と鉛筆を使って自分ひとりでもストレスを処理する方法がある」

など、「メンタルヘルス」を切り口に、認知症予防につながるストレスコントロールについて詳しく説明されました。

一般社団法人元気人は、地域の認知症発症を予防し、誰もが笑顔で元気に暮らせる社会を実現したいと考えています。

そのためには認知症予防に携わる人材育成が不可欠であり、今有益な情報をお届けできるように、今後もこうした勉強会を継続して実施する予定です。

開催中のセミナー・勉強会についてはこちらからご確認いただけます。


高齢者の脱水症状に注意、早め早めの水分補給が大事!


人の体のほとんどは水でできていますが、
水の構成比は年齢とともに変化していきます。

子どもの頃は約70%を水が占めるも、
成人では約60〜65%、高齢者で50〜55%
ほどになるといいます。

お父さんのように、人生の酸いも甘いも経験し、
若い頃のギラギラ感も落ち着いて、渋みが増してきた人を
「枯れた人」と称することがあります。

実際のところ、枯れた人といわれる中年期や高齢期は、
若い頃と比べて、文字通り水の保有量は減っているのです。

これは年齢とともに筋肉が減って、
脂肪が増えていくことと関係があります。

筋肉の細胞は水分を貯めておけるのですが、
逆に脂肪の細胞は水分を貯めにくい性質があります。

特に高齢者は、加齢とともに
筋肉が減り、脂肪が増える傾向がありますので、
体の中に水を貯め込む力が弱くなっています。

さらに高齢者は感覚機能の衰えにより、

のどの渇きも感じにくくなっています。

そのため、暑くなり汗をかきやすい季節は、
高齢者の脱水症状に注意が必要となります。

脱水症状になると、汗をかいて
体温を調整することができなくなります。

すると、体に熱がこもって、
だるくなったり、ぼーっとしてしまったりなど、
一見すると、認知症の症状と見まがう様子を呈します。

また、慢性的な脱水症状は、血液がドロドロになることで、
脳梗塞や心筋梗塞の引き金になることもあります。

夏場や季節の変わり目などは、脱水リスクが高まる時期です。

トイレが近くなるのを嫌がって、水分補給を控えるのではなく、
適切に水分を補給することが大切になります。

人が一日に摂取すべき水の量は、
食事から1日800ml、飲み物から1000~1500ml
といわれています。

なお、脱水の状態に陥っているときは、
その人の手の甲の皮膚をつまむと、
つまんだ形がそのまま残るようになります。
(ハンカチーフサインといいます)

こうしたサインを見逃すことなく、早め早めの水分補給で
夏場の脱水症状を回避したいところです。


中年期のストレスにご用心


現代社会はいつしか「ストレス社会」と称するようになりました。

特にお父さんのような中年期の人にとっては、
身体的、社会的、家庭的、心理的に変化の多い時期で、
何かとストレスを感じる時期でもあります。

実はここに中年期のストレスが、
認知症の発症リスクを高めるとする研究成果があります。

この情報でストレスを感じさせてしまったのでしたら、
恐縮ですが、どうぞご安心ください!

本文の最後のほうでは解決の糸口も提示しております。

スウェーデンの800人の女性を対象に
1968年からその後38年間定期的な追跡調査が行われました。

中年期に職場の問題、重い病気、離婚や配偶者の死といった
ストレスを経験している人に、アルツハイマー病の発症が
多くみられたのです。

また、経験したストレスの数が増えるほど、
アルツハイマー病の発症率が高まることもわかりました。

なお、これは女性を対象にした研究ですが、
多くの場合で男性にもあてはまるだろうと思います。

ストレスと感じる要因の発生自体を抑えることができれば、
それが理想ですが、現実はなかなかそうもいきません。

天候と同じように、ストレスという雨は
こちらの都合とはお構いなしに降ってきます。

ただ、そのストレスの雨をどのようにしのぐのか、
すわなち、ストレスの受け止め方や処理の仕方は、
こちらでコントロールすることができます。

そして、ストレスをうまく処理できれば、
認知症の発症リスクを抑えることにつながると同時に、
QOL(人生の質)の低下も防ぐことになります。

現代においては、ストレスの処理方法を知ることは
とても有意義であるといえます。

ちなみに、一般社団法人元気人主催で
2017/6/18(日)に行われる認知症予防の勉強会では、
「認知症予防とメンタルヘルス」をテーマに、
ストレスコントロールについて学んでいきます。

具体的なストレスコントロールについて知りたい方は、
参加を検討されるといいのではと思います。

勉強会の詳細については、こちらをご参照ください。

————————–
【文献】
“Midlife Stress May Trigger Dementia, Alzheimer’s in Women”
BMJ Open (2013)


ライフスタイルで変わる認知症の発症リスク


健康は人生のすべてではありませんが、
健康を失うと人生の多くを失います。

ライフスタイルは健康に大きな影響を及ぼしており、
認知症の発症リスクもその例外ではないのです。

アフリカのナイジェリアに住む高齢者2,494名と、
米国のインディアナポリスに住むアフリカ系高齢者2,212名との
認知症の発症率を比べた研究があります。

どちらも同様な遺伝的背景をもつ人たちです。

しかし、米国在住者はアフリカ在住者と比べると、
認知症においてもアルツハイマー型認知症においても
その発症リスクが約4倍高いことがわかりました。

米国在住者のほうが、教育レベルはずっと高く、
最新医療の恩恵も受けています。

頭も身体も使わずとも便利な生活を送ることができる
都市型のライフスタイルが、逆に認知症の発症リスクを
高めているようです。

老年医学分野の研究機関である
東京都健康長寿医療センターや国立長寿医療研究センターなどが
認知症予防につながるライフスタイルを提唱しています。

そのポイントをまとめてみますと、以下のとおりです。

1)脳の血流をよくする有酸素運動
2)バランスのよい食生活
3)脳を活性化する知的活動
4)人とのつながり
5)減塩・禁煙・節酒などの生活習慣の改善

これは認知症に限らず、
さまざまな疾患の発症リスクをさげるものでもあります。

ライフスタイルに是非とも取り入れたいところです。

————————–
【文献】
Ogunniyi A, et al.
“Epidemiology of dementia in Nigeria: results from the Indianapolis-Ibadan study”
Eur J Neurol 7 : 485-490 (2000)