「健康寿命をのばそう!」をスローガンに、
厚生労働省は生活習慣病の予防に力を入れています。
生活習慣病は、
「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、
その発症・進行に関与する疾患群」
と定義されています。
がん、循環器疾患、糖尿病、
COPD(慢性閉塞性肺疾患)などは
生活習慣病にあたります。
生活習慣病は、医療費の約3割を占めているといわれ、
高齢化とあわせて、社会保障費増大の要因になっています。
また、死亡者数の約6割を占めており、
日本人の半分以上は生活習慣病で
亡くなっていることになります。
また、生活習慣病は認知症の発症リスクを
高めることがわかっています。
スウェーデンの研究者が行った調査研究によると、
・50歳時に最高血圧(収縮期血圧)が160mmHg以上
⇒⇒ 71歳時のアルツハイマー型認知症の発症リスク 2.3倍
・総コレステロール値260mg/dl以上
⇒⇒ アルツハイマー型認知症の発症リスク 2.1倍
・両方を合併している場合
⇒⇒ アルツハイマー型認知症の発症リスク 3.5倍
であることがわかりました。
生活習慣病の治療には、
運動不足の解消や食事スタイルの改善、
服薬管理が必要となります。
生活習慣病に加えて、認知症も発症すると、
治療や予防活動を続けることが難しくなり、
生活習慣病や認知症の重症化を招くことになります。
これだとQOL(人生の質)を大きくさげることになります。
近年の研究から生活習慣病については、
予防法が確立されてきています。
認知症予防は高齢者だけがするものではありません。
お父さんのような中年期を迎えている方も
認知症予防の対象者であり、
生活習慣病の予防や改善に努めることで、
将来の認知症発症を回避することにつながるのです。
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【文献】
Kivipelto M, et al.
“Midlife vascular risk factors and Alzheimer’s disease in later life:
longitudinal,population based study”
BMJ ; 322:1447-1451 (2001)