認知症予防において質の高い情報の探し方(インターネットの情報で健康被害にあわないために)


検索上位に表示されることが多かった、DeNA社が運営する医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」が、11月29日に非公開となりました。

「信憑性薄い」という批判が殺到したことを受けての対応とのことです。

ITmediaニュース:DeNA、医療情報サイト「WELQ」全記事を公開停止 「信憑性薄い」指摘受け

認知症予防をはじめとする健康に関する情報も、多くの人はインターネットで検索して探す時代になりました。

認知症予防の正しい知識を身につけるには、質の高い情報に触れることが大事です。

質の高い情報を評価する方法は、確立されていませんが、次の基準をポイントに情報を探すとよいでしょう。
 
 
1)営利性のない情報かどうか

手間とコストをかけて提供される情報の裏には、情報を発信する提供者の意図が隠れています。

最新のエビデンスに基づいた情報であっても、情報提供の裏には、物品の販売や特殊なサービス等の営利的な目的が隠されている場合があります。

営利目的の情報の中にもすぐれたものはたくさんありますが、その情報提供によって、誰が利益を得るのかを見極めておくことは大事になります。
 
 
2)掲載された情報のエビデンスや引用が明記されているか

まずは情報のエビデンスや引用元が明記されているかどうかを確認します。

その次に、情報のエビデンスや引用は何を根拠にしているのかを確認します。

専門家の個人的な意見よりも疫学研究によって導かれたエビデンスを根拠にしている方が信頼度は高くなります。

また、論文からの引用が多い情報も信頼度が高くなりますので、こうした情報を利用されることをお薦めします。
 
  
3)掲載された情報の記載日が明らかにされているか

健康や医学に関する研究は日進月歩で進歩しており、時間の経過とともに、研究成果からもたらされた情報の利用価値も変化していきます。

提供された情報が、いつの時点のものか、またいつ更新されたのかを常にチェックしていくことが大事になってきます。

おおよその目安として、5年以上更新が行われていない情報は、内容が古い可能性があります。

しかし、新しい情報が常に正しいとも限りません。

新しい方法は、たとえ有効であっても、まだまだ明らかになっていない事象が少なくないからです。

新しい予防法は、研究事例が少ないため、予防の根拠がまだまだ曖昧であったり、デメリットも明らかにされていなかったりします。

認知症予防においては、限られた時間、お金、体力の中で行うものです。

目新しさよりも確実さを選択したいところです。
 
 
4)複数の情報源からも確認できるか

いろいろな立場の人が、いろいろな考えをもって、情報発信をしています。

同じテーマでも、立場によって見方が違ってきます。

特定の情報源からだけでなく、複数の情報源からも発信されている情報はおおむね信頼度が高いといってよいでしょう。

また、複数の情報を読み比べながら、自分に必要な情報を選び取っていく姿勢が大切になります。


枚方信用金庫様主催の健康セミナー内で、認知症予防講演を実施


2016年11月25日(金)に、枚方市市民会館(大阪府枚方市)において行われました、枚方信用金庫様主催の健康セミナー内にて、認知症予防講演を実施しました。

国立長寿医療研究センターの島田裕之先生が講師として登壇され、「認知症予防最前線〜自分で行う予防法〜」という題目で90分にわたり、最新の研究事例とユーモアを交えながら、メッセージいただきました。

約1,200名の枚方市民の方々がご参加され、うなずきあり、笑いあり、運動の実演ありの講演となりました。

島田先生の講演に先駆けて、枚方信用金庫の理事長 吉野敬昌様が「認知症のリスクを知ることで、それはクスリに変わる、今日はしっかりと学びましょう」とご挨拶されました。

島田先生は講演会の中で、「認知症予防は40代、50代の中年期から始めるのが理想で、中年期は生活習慣病、老年期は老年症候群の予防に努めること」「老年症候群を予防するには、活動的な習慣を身につけることが大事」「頭を使い、皆とワイワイ遊びながら運動すると効果的だし、長続きする」と、大変わかりやすく、手軽かつ効果的な認知症予防をお伝えしました。

今回の認知症予防講演会をきっかけに、枚方市での認知症予防活動が活発化することを期待しています。

また、講演会会終了後、認知症予防講演会の企画担当の方にお話を伺ったところ、「認知症をテーマにすることはこれまで避けており、今回はじめて認知症予防を扱うことになった。だが、参加者の反応は非常によく、開催できて本当によかった」と、今回の講演会で感じられた手応えを語ってくださいました。

当法人がまず目指しているのが、認知症に対してどのようにしていけばいいの?と不安を抱えている方々に、正しい認知症とその予防の知識を提供することで、まずは安心していただくことです。

認知症を100%避けることは、現代の医学では不可能で、全員が認知症を発症するリスクがあります。

ですが、認知症の発症を遅延させることは十分に可能です。

もし、高齢者の認知症発症を5年遅らせることができれば、認知症発症者は当初の予想よりも半減(約350万人減)するという試算もあります。

認知症に対する不安を解消し、人生の質を高めるために、認知症の正しい理解と予防方法を、当法人は広げていきたいと願っています。

今回の機会を与えてくださった、枚方信用金庫の関係者の皆さまに感謝申し上げます。

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一般社団法人元気人では、認知症予防講演会における講師の出張派遣を行っております。

認知症予防研究の専門家や講演歴豊富な認知症予防活動支援士などが、「物忘れと認知症との違いは?」「認知症予防のメカニズム」「認知症になっても、人生の質をさらに上げるには?」などを、最新の研究事例を踏まえながら、わかりやすくお伝えします。

認知症予防の講演会を実施するにあたり、講師をお探しの方は、認知症予防 出張講演のページまでどうぞ。


高齢社会でも認知症を抑制した成功事例


日本は世界に先駆けて、高齢社会を迎えました。

 ※総人口に対して65歳以上の高齢者人口が占める割合が
  14%を超えた社会を「高齢社会」といいます

そして、高齢者人口の増加にあわせて、高齢者の認知症発症者も増加傾向にあります。

高齢者の人口が増えるのだから、認知症の発症者も増えるのは仕方がないと思われがちです。

実は、高齢化が進んでいるにもかかわらず、認知症の増加を抑えることに成功している国があります。

それはイギリスです。

日本ほどの進行スピードではありませんが、イギリスでも高齢化が進んでいます。

そのイギリスで、1989年~1994年と2008年~2011年の二回にわたり、大規模な認知症追跡調査が実施されました。

約20年の間、高齢者の数は増えているにもかかわらず、認知症の人はほとんど増えていなかったのです。

  【調査期間】   【認知症発症者】
 1989年~1994年    66万4000人
 2008年~2011年    67万人

 出典)F.E.Matthews PhD, et. al,:Lancet, 382:1405-1412, 2013

では、イギリスではどのような対策が施されたことで、認知症の発症を抑えることができたのでしょうか?

イギリスが実施した対策は

・生活習慣病の予防(運動、食生活など)と治療
・煙草の自動販売機、陳列販売の禁止
・減塩政策(一日の塩分摂取量6g以下)

などで、これらを重点的に取り組みました。

ちなみに、一日の塩分摂取量6gは、高血圧や腎疾患がある方向けの減塩レベルになります。

これらの施策は、当初、心臓病や脳卒中を防ぐために実施されたのですが、結果、認知症発症の抑制にもつながったのです。

医療費も年間2,600億円を削減することができたといいます。

「生活習慣病の予防」「禁煙」「減塩」は、長期にわたり取り組むことで、効果はさらに期待できます。

しかも、認知症発症の抑制に成功しているイギリスの事例があるのですから、今日からでも取り組みをはじめたいものです。

自分はまだまだ若いからと、認知症予防を忌避する方がときどきいますが、早くからはじめるほど、予防効果が期待できる認知症予防もあるのです。