認知症予防には良質な睡眠を


米ワシントン大学の研究グループが、「睡眠不足はアルツハイマー型認知症の発症リスクを高める」という研究結果を発表しています。

認知症は、異常なタンパク質「アミロイドβ」が脳内に蓄積することで、引き起こされるといわれています。

睡眠中の脳は、全く休んでいるのではなく、覚醒時とは別の活動を行っています。

睡眠中の脳の活動の1つに、日中にたまった老廃物を排出するという、脳の機能を維持する上で欠かせない活動があります。

睡眠不足が続くと、この排泄作用が低下し、アミロイドβが脳内に蓄積しやすくなると推定されています。

一般的に高齢になるほど、睡眠の質が低下し、睡眠障害を起こす人が多くなりますが、生活習慣を改善することで、睡眠の質をあげることができます。

認知症予防につながる生活習慣の改善として、下記の3つに注目するといいでしょう。

1)日中の活動量を増やす

日中の活動量を増やすこと、そのために有酸素運動を行うことは、二重の意味で認知症予防に効果的です。

有酸素運動を通して、脳の血流量が増えて脳が活性化することに加えて、身体が疲れることで、睡眠時の質を深くするからです。

ちなみに夕方に運動をすると、良質な睡眠をとる上で効果的です。

夕方に運動して体温が上昇することで、夜間にかけて体温がさがっていき、眠りに入りやすくなるからです。

 

2)昼寝

適度に昼寝をする習慣は、アルツハイマー型認知症の発症リスクが5分の1に下がるという研究報告があります。

アルツハイマー型認知症のリスク遺伝子をもつ人でも、昼寝の習慣によって、発症リスクが軽減することが指摘されています。

ただし、昼寝の時間は30分以内がよく、それ以上になると夜の睡眠の質がさがるなど逆効果になります。

また、昼寝をすることで、午後からの仕事や勉強の効率が高まることはよく知られています。

アミロイドβが蓄積し出す40代、50代から認知症予防はスタートするのが望ましいといわれていますが、これはちょうど働き盛りの年代になります。

経営面からも従業員の(将来的な)健康面からも、企業として積極的に昼寝を推奨したいものです。

 

3)生活習慣病の管理

糖尿病や高血圧があると、睡眠が不十分になりがちですし、逆に睡眠に問題があることで、糖尿病や高血圧の悪化を招きます。

生活習慣病を招く生活習慣は、アルツハイマー型認知症の発症を高める危険要因でもあります。

糖質制限を取り入れるなどして、血糖値や血圧をきちんと管理することが大切です。