認知症予防にこそ導き手はあらまほしきことなり


先日本屋に入って、健康コーナーに立ち寄ったところ、ダイエット本に混じって、認知症予防関連の書籍がたくさん並べてあることに気がつきました。

『認知症にならないための▲▲』
『ぼけ防止には○○』

・・など認知症に不安を感じている人には、どれも気になるようなタイトルばかりでした。

タイトルや著者(肩書き)を見る限りは、どれも認知症予防に効果がありそうな感じがします。

ただ、これだけのたくさんの情報、つまり選択肢が示されると、ほとんどの方は自分にとって何がいいのだろうか?と、その選択肢に悩むことになります。

選択に迷っている間は、行動に移すことができないわけですから、認知症予防という成果はいつまで立っても達成されないことになります。

ダイエットは後から取り組んでも痩せることは可能ですが、(アルツハイマー型)認知症の場合は、症状が進行した後に予防に取り組んでも意味はありません。

残念ながら現代の医学では、認知症は進行したら元の状態に戻ることはないからです。

そのため早い段階から認知症予防に取り組むことが大事になってきます。

たとえば、有酸素運動が認知症予防にいいと知ったのであれば、その瞬間に歩き出しているぐらいがちょうどかと思います。

とはいえ、ほとんどの方は情報を知り得ても、第一歩すら踏み出せないのが現状です。

そのためには、その人の生活スタイルや性格、興味関心を理解して、その方にあった認知症予防の方法を提案し、確実に認知症予防に一歩を踏み出せるように導く存在が必要になってきます。

そして、せっかくスタートした取り組みが三日坊主に終わらないように、なだめすかしながら、モチベーションを高めていくことも欠かせません。

このことができる人を職業で言い換えると、インストラクターやトレーナーといわれる方に該当します。

認知症予防においては、認知症予防には○○が有効というコンテンツは、もうそれこそ星の数ほど溢れかえっています。

これからの認知症予防においては、認知症予防に効果がある手法を行動とその習慣化まで持っていける導き手(インストラクターやトレーナーなど)の存在が大事であり、今後はそうした人材育成が求められるであろうと思います。


公正証書遺言が無効になったケース


「ガンにかかっても、認知症だけにはかかりたくない」という高齢者の声を聞いたことがあります。

認知症を発症すると、本人だけでなく家族を含めて、日常生活のさまざまなシーンで支障がでてきます。

人生の一大イベントのひとつといえば、遺産相続(財産分与)があります。

実はこの遺産相続というシーンにおいても、認知症は暗い影響を及ぼす場合があります。

財産分与において、遺言者の意思を確実に遺したいのであれば、法律の専門家である公証人が遺言者の真意を正確に文章にまとめる「公正証書遺言」が安全確実な方法です。

原本が公証役場に保存されますので、遺言が破棄されたり、内容が改善される恐れはありません。

相続開始後,速やかに遺言の内容を実現できることも、公正証書遺言を作成するメリットです。

公正証書遺言は方式の不備で遺言が無効になるケースはないのですが、実際の地裁判決では、認知症の高齢者が作成した公正証書遺言が無効になった事例がいくつかあります。

認知症を発症していた遺言者が公正証書遺言を作成したのですが、遺言作成当時、認知症特有の症状(記憶障害及び理解力、判断力が著しく低下)が出ており、遺言作成にあたり意思能力を欠いていたとの理由で、公正証書による遺言は「無効」という判決が出ています。

遺言が有効となるのか、それとも無効となるかは、認知症診断の点数、周囲との意思疎通の具合などから判断されますので、一概に認知症の方が作成した遺言は有効だ、無効だと決めることはできません。

相続人同士がもめるのを避けるために、遺言者が遺言を残すケースもあるかと思いますが、認知症を発症すると、そうした意思を残すことが難しくなることは、いくつかの判決事例が物語っています。


2025年には65歳以上の5人に1人は認知症


厚生労働省が発表した報告によりますと、2012年時では65歳以上の7人に1人が認知症と推計されていました。

今から10年後の2025年、これは団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる年にもあたりますが、65歳以上の5人に1人は認知症という推計が、先日1月7日に厚生労働省から発表されました。

2025年には認知症の高齢者が700万人に増えることになります。

国の基本的な考え方として「認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す」としています。

また厚生労働省研究班の別の試算では、健康寿命(健康的に自立して暮らせる期間)を延ばしていけは、最大で5兆円規模の医療・介護費用が節減できるとあります。

いつまでも健康であることは、自分自身の人生の質に関係するだけではなく、社会全体にもつながっていきます。

大事業家でなくても、健康であることで未来の世代に大きな資産を遺すことができるのです。

いつまでも健康であり続けるには、1日に40分ほど身体を動かす、知的活動に取り組む、人と地域とつながるなど、いわるゆ生活習慣病の改善につながることを、日常生活の中に取り入れていくといいと言われています。

こうした予防活動も国家戦略の大きな柱として位置づけられることでしょう。


ガンになっても、認知症にだけはなりたくない


「ガンになっても、認知症にだけはなりたくない」

そのように言葉を発する高齢者の声を聞いたことがあります。

ガンになっても自分は自分自身でいることができるが、認知症だとそれすらままならない・・という不安な気持ちを言葉にされたようです。

ですが、認知症にならないうちは人生はOKで、もし認知症になってしまったら人生は終わりだというわけではないのです。

認知症を発症して、認知機能は落ちてきたとしても、その人の尊厳も感情も失われることはありません。

認知症でも人は人であり続けるのです。

この理解が本人にとっても周囲にとっても共通認識であれば、関わり方は大きく変わっていきます。

人間関係の充足は幸福度と大きく関係しているといわれます。

関わり方の土台に「(認知症でも)人は人であり続ける」があるのであれば、認知症を発症したとしても、幸せに生きる道は充分に残されているのです。

健康が人生のすべてではありませんが、健康を失うと多くのものを失うのは事実です。

認知症予防の目的を一言でいうのであれば、健康的な心身を手に入れることを通して、幸せに生きられる機会を広げていくことに他なりません。

認知症にかからないことを多くの方は望んでいますし、それは実現しなければなりません。

ですが、認知症を発症しても幸せな人生を送られる、人として生きられることを理解しておくことで、幸せに生きられる可能性をさらに広げてくれると思うのです。


名医が取り組んでいる4つの認知症予防


2014年11月25日に放送されたテレビ朝日の番組『林修の今でしょ!講座』では、名医が実際に取り組んでいる認知症予防が紹介されました。

番組に登場されたのは、順天堂大学で長寿遺伝を研究されている白澤卓二教授。

白澤教授が実際に取り組んでおられることを、そのポイントを交えてご紹介しますと、

◆ピアノを弾く
 ピアノでなくても、右手と左手でじゃんけんをするといった、頭にちょっと負荷がかかる体操でもOK。
 自分の苦手なことや新しいことに取り組む、指先を使うことで、脳が活性化されます。

 
◆漬物を食べる
 栄養素というよりも、ポイント歯ごたえ。
 よく噛むことで認知症になりにくくなります。

◆太陽の光を毎日浴びること
 紫外線を浴びることで、ビタミンDが生成され、認知症の原因物質と考えられているアミロイドβを抑える働きが期待できます。
 ちなみに、日光浴をしている人としていない人では、発症リスクは2倍違ってきます。
 (日本人の場合は、紫外線による皮膚ガンの発症を心配するよりも、紫外線不足による認知症発症リスクの増加を心配する方が現実的とのこと)

◆認知症予防に効果が期待できる食べ物
 鮭一切れで1日に必要なビタミンDが摂取でき、いくら、いわし、すじこなどもいいそうです。
 またカレーのスパイスとして使用されているウコンのクルクミンも、アミロイドβを抑制する働きを期待できます。

今回紹介された取り組みは、すでに実施している方も多いと思いますし、生活スタイルを少し変えるだけで取り入られるものばかりです。

認知症予防は高齢者が取り組むものという認識があります。

認知症の発症リスクはこれまでの生活習慣の積み重ねで大きく変わってきますので、実際のところ40代、50代の頃から始めるのがベターです。

どのような仕事や生活スタイルを送っている人であっても、食べることはかかせません。

まずはよく噛んで食べることを心がけて、認知症予防に取り組んでみるのもいいのではと思います。


ダイエット関連市場を通して、認知症予防への有効的なアプローチを考えてみる


ダイエット関連市場は、食品、エクササイズ、機器、情報サービスなど分野が幅広く、とても巨大な市場です。

ダイエットはある瞬間だけ達成してもあまり意味がなく、(リバウンドすることなく)維持し続けることに本来の価値があります。
 
またなんだかんだいっても、ダイエットは生活習慣を改善することが地味でありながらも一番効果的である点において、認知症予防と通じるものがあります。
 
これからますますと伸びていく認知症予防関連の動向を読み解く上で、ダイエット関連市場の現状や抱えている問題を詳しく調べることは、大変有効ではないかと考えています。

今回の記事では、ダイエットをしたいと思った人の行動モデルをヒントに、認知症予防へのアプローチと抱えている問題を考えていきたいと思います。

◆ダイエットをしたいと思った人の行動モデル

 1)ダイエットをしたい(しなければ)と思うきっかけに出会う
     ↓
 2)ダイエットするからね!と決意する
     ↓
 3)ダイエットに関する情報を収集し、自分のダイエット方法について決める
     ↓
 4)ダイエットに実際に取り組む
     ↓
 5)ダイエットの効果を確認する
     ↓
 6)効果が確認できれば続ける

認知症予防へのアプローチも同じステップを踏んでいきます。
(ここでは主にアルツハイマー型認知症とその予防について取り上げています)

認知症予防においての1)、つまり認知症予防をしたい(しなければ)と思うきっかけは、テレビ局や雑誌の特集、認知症関連のニュースなど、各種メディアからの情報提供になります。

しかも、一年前と比べただけでも、メディアからの情報発信量は格段に増えてきました。

また取り扱う内容についても、認知症を発症した本人やその方の家族の現状(介護負担、徘徊による行方不明、トラブル)の内容であったり、認知症予防には○○と、具体的な方法を教えてくれる内容であったりと、幅広くなっています。

認知症予防に関しては、今テレビや雑誌から普通に手に入る情報の質と量からでも充分に取り組むことができます。

運動/食事/知的活動/人とのつながりと、誰もが聞けば当たり前と思うようなことばかりですし、程度の差はあれ、ほとんどの方が実行できる内容です。

それらをバランスよく長期間にわたり取り組んでいくのであれば、認知症予防には充分効果があり、またそれを実証する研究調査も報告されています。

ダイエット関連市場は今玉石混交の情報であふれかえっていますが、認知症予防についても、やがてはたくさんの情報が氾濫することが予想されます。

ダイエット関連市場に見られるような、一部の詐欺的な煽り文句にだまされないように、情報の真贋を見極める目、つまり情報リテラシーを本人自身がまず高めること。

そして健康管理にはかかりつけ医をもつように、認知症予防においても予防に長けた詳しい専門家を身近に備えておくことが大事になってくると思います。


寝たきり予防にも認知症予防にも、有酸素運動と筋トレを続けること


高齢者の寝たきりの状態と認知症の発症と進行には相関関係があります。

寝たきりの状態では、脳への刺激がとたんに少なくなってしまい、認知症の発症リスクを高めてしまう原因になります。

逆に認知症の進行が進めば、寝たきりとなる状態も進行し、脳への刺激が更に少なくなって認知症が進行するという、負の連鎖が起きてしまいます。

認知症発症は寝たきりとなる要因にもその結果にもなり得ますが、その他の寝たきりになる大きな要因としては「脳卒中」「転倒による骨折」が指摘されています。

その寝たきりを予防するには、有酸素運動と筋トレを行うことが推奨されています。

手軽な有酸素運動としては、歩くことで、目安としては一日8000歩。

筋トレに関しては、自治体やフィットネスクラブなどでさまざまなプログラムが提供されていますし、トレーニングブックもたくさん出版されています。

健康を維持する上で、高齢者にとっては生活も維持する上で、有酸素運動や筋トレといった体を動かすことはとても大切です。

ですが、いいことだとわかっていても、ほとんどの人は続けられないものです。

これから寒くなる時期、体を動かすことへのやる気よりも体を動かさないことへの言い訳の方がますますと先に立ちます。

こういう人にとって有効的なことは、こうしたプログラムに取り組むグループ活動やコミュニティに所属することです。

やるぞー!とやる気を出したとして、かげろうのごとく、明日には立ち消えてしまうほど、個人レベルのやる気はあまり当てになりません。
(かくゆうわたくしもその一人ではありますが)

一人ではできないことでも、集団のチカラを借りればできるものです。


1万人規模の調査で、認知症予防法の浸透化に期待


2014年11月に東京都内で開催された認知症の国際会議で、安倍首相は認知症対策を新たな国家戦略に位置づけると発表しました。

それを受けて、認知症予防法の確立に向けた、1万人という大規模な追跡調査が来年度からスタートします。

虫歯予防には「はみがき」ということが、子どもから大人まで国民レベルで習慣化してます。

日頃の予防とケアにより、口腔内の健康は維持されますが、口腔ケアのため、毎日はみがきしていることを恥ずかしがったり、うがいにことさら抵抗を示す人はいません。

予防とケアが重要なのは認知症でも同じことで、生活習慣(喫煙や飲酒、運動不足など)で認知症の発症リスクが大きく変わることは、これまでの調査研究で明らかになっています。

ですが、認知症のことになると、国民レベルで予防法が習慣化が浸透しているかというとそうでもありません。

認知症予防に取り組んでいることに何か恥ずかしさを感じたり、「認知症予防」という言葉に過剰反応したりと、感情面ではまだまだ抵抗を示す方がいることを、多くの現場で耳にしていきました。

アルツハイマー型認知症の発症時期をあと5年遅らせることができれば、発症率が半減するという試算があります。

多くの人が認知症発症することなく天寿を全うできることができるとなれば、本人だけでなく、家族にとっても、また社会にとっても、大変大きな意味があります。

厚労省が来年度から行う大規模調査の結果、認知症予防法が確立されて、それが当たり前の生活習慣であることが国民レベルまで浸透するのを期待したいところです。


ICTの利活用で高齢者の認知症予防を実現する動きがスタートしています


高齢者が周囲から何も働きかけられることなく、何日間も一人で過ごすことは、認知症の発症リスクを高めているといわれています。

人とのかかわり合いは、とても有効的な認知症予防の手段ですが、高齢者とのかかわりをもてる人材の数とその時間は限られているのも現状です。

人とのかかわり合いをICTで代替しようとする取り組みがスタートしようとしています。

このヒト型ロボット「ペッパー」くんは、過去の記憶を思い出させる質問を投げかけたり、運動のためのダンスをしたりと、認知症予防の助け手として、活躍してくれます。

こうした認知症予防につながる生活スタイルを習慣化する取り組みは、ヒト型ロボットに限らず、タブレット(iPadやAndroid)やパソコンなどのICTが得意とするところです。

特に手軽に簡単に操作できるタブレットの登場で、ICTは高齢者にとってより身近な存在になりました。

タブレットやパソコンを活用した認知症予防の取り組みは、今後注目を浴びていくと思うのです。


高齢者の脳を認知症から守る「オメガ3脂肪酸」


認知症予防には、4つの観点「運動」「食事」「知的活動」「人とのつながり」から生活スタイルを見直すことが大事だと言われています。

その中でも食事は毎日欠かさず摂るものですから、認知症予防になりにくい食事を心がけたいところです。

高齢者の脳を守るとして、注目を浴びているのが「オメガ3脂肪酸」です。

しかも、「オメガ3脂肪酸」には、ごく初期のアルツハイマー病の進行を抑える可能性を示唆する研究成果もあるとのこと。

毎日の食生活の中に、今すぐ「オメガ3脂肪酸」を取り入れたいところですが、どうせなら効率よく美味しく食べたいところです。

認知症予防の要諦は、続けることでありますが、毎日同じ料理ばかりだと飽きてしまいます。

かといって、毎日違う料理を考えるのも大変です。

というときこそ、インターネットを使うと大変便利です。

クックパッドなどのレシピ集サイトがたくさんありますから、無料でも美味しそうなレシピをたくさん見つけることができます。

ちなみに、青魚を焼き魚にすると、脂が焼け落ちてしまうので、小麦粉をまぶしてムニエルにするのは美味しいし、効率良く「オメガ3脂肪酸」を摂取できそうです。