60歳以上の認知症予防:運動編


認知症の発症原因は、70近くあるといわれていますが、
割合ではアルツハイマー病と脳血管障害で約7割をしめています。

この2つの認知症の発症原因を回避することから
認知症予防はスタートするといえます。

近年の研究からは、脳血管障害だけでなく、アルツハイマー病も
運動や食事などの生活習慣が関係していることがわかっています。

生活習慣であれば、多くの場合でコントロールが可能で、
生活習慣を見直すことで、認知症に強い脳とからだ作りが達成されます。

とはいえ、認知症に強い生活習慣を確立するにあたり、
どこに比重を置くかは年代によって変わってきます。

今回は60歳以上が心がけたい「運動」についてみていきたいと思います。

認知症の危険因子の中でも特に危険度が高い、
最凶の危険因子とも呼べるものは「運動不足」です。

アルツハイマー病の危険因子の危険度を調べた
米国の調査研究から、高血圧や喫煙、うつ以上に、
運動不足が大きく影響していることがわかっています。
(Barnes DE, Lancet Neurol 2011)

逆に息がはずむ程度の「有酸素運動」を定期的に行うと、
記憶を司る海馬を萎縮から守ることが指摘されています。
(Erickson LI,PANS 2011)

つまり、認知症予防において、有酸素運動は
危険因子を減らしながら、抑制因子を増やすという
一石二鳥の予防法なのです。

そして、運動習慣が認知機能にもたらす利益は
生涯にわたり蓄積されていくと考えられています。

青年期・中年期に運動習慣があった人は、その蓄積により
高齢期における認知症の発症リスクが減少することになります。

とはいえ、高齢期に入るまで運動をしてこなかった
お父さんはどうぞご安心ください。

この時期から運動をはじめても、遅すぎることはなく、
認知症の発症リスクが抑えられるという研究結果があります。
(Almeida OP, et al. Br J Sports Med 2014)

また、60歳を過ぎてから運動をはじめる方は、
よい意味で自身の身の丈がどれほどかを知っていますので、
無理をせず、長続きする傾向があります

それに初心者からはじめますと、
多くの運動で目に見えてどんどん上達していきますので、
取り組んでいても達成感があり、楽しくなります。

60歳以上の認知症予防を目的にした運動でしたら、
早歩き、ジョギングなどの有酸素運動がおすすめになります。

また、中高年に人気のカラオケも
心臓に負担がかからず、皆と楽しめる有酸素運動です。

例えば、晴れの日はジョギング、雨の日はカラオケのように
晴れの日と雨の日それぞれに取り組む有酸素運動を決めておくと、
取り組みが中断されないため、長続きしやすいです。

以上、まとめますと、
60歳以上が心がけたい認知症予防のための運動としては、
晴れの日でも雨の日でも有酸素運動を心がけるとよいでしょう。

世知辛い世の中において、人と金は裏切りますが、
やり続けた運動は裏切ることはありません!

是非とも自分の中にある、運動をしない理由をつぶしていって、
今日から運動をはじめてみてはいかがでしょうか?