ここが違うよ!老化によるもの忘れと認知症によるもの忘れ


歳をとれば誰もが身体機能の衰えを感じるものです。

衰える時期や程度には個人差がありますが、
近くが見えにくくなったり、耳が遠くなったり、
シワが増えたり、動作がゆっくりになったりなどします。

お父さんにおかれましては、
髪の毛の量が気になっておられるかもしれません。

これらの老化現象は目に見える身体面だけでなく、
目に見えない脳内にもしっかりと訪れます。

人の脳神経細胞は、
出生時には大人とほぼ同じ数(140億個)ができており、
成長とともに相互ネットワークを形成していきます。

この脳神経細胞も、
20歳を過ぎると1日に約10万個ずつ減っていき、
80歳までに約22億個が死滅するといわれています。

しかし、脳神経細胞間の相互ネットワークや
失われた機能を代替するはたらきが脳にはあり、
大人になったからといっても、脳機能が著しく
低下することはありません。

とはいえ、加齢とともに脳機能が衰えるのは避けられず、
その際に「もの忘れ」の症状がみられるようになります。

もの忘れの症状として、

・昨日の夕食のメニューが思い出せない
・テレビでよく見る芸能人の名前が出てこない
・何を取りに行ったのか忘れてしまった

ということを、歳をとった人であれば、
ひとつやふたつ体験しているものです。

記憶障害は認知症の代表的な障害のため、
もの忘れの回数が増えてくると、
「そろそろ、わしもボケたのかのー」
と心配になっているお父さんもいらっしゃるかもしれません。

これらの症状は、老化によるもの忘れとして
認知症によるもの忘れとは区別されます。

老化によるもの忘れと認知症によるもの忘れの違いを知っておくことで、
不要な心配をなくしたり、もしもの時の早期発見につながったりします。

<老化によるもの忘れの特徴>
・人や物の名前などを思い出せる
・体験の一部分を忘れる
・ヒントがあれば思い出せる
・判断力は低下しない
・もの忘れを自覚している

<認知症によるもの忘れの特徴>
・日々の体験や出来事を覚えていられない
・体験の全体を忘れる
・ヒントがあっても思い出せない
・判断力が低下する
・もの忘れを自覚していないか乏しい

例えば、アルツハイマー型認知症では
何度も同じことを尋ねる症状がみられることがあります。

その尋ねた経験そのものを忘れてしまうことから生じていますが、
本人の中では「大事なものだから覚えよう」という思いがあるため、
(忘れたとしても)何度も確認しようとするのです。

本人や家族の中で、もの忘れの症状がひどいと思い当たる場合は、
一度専門医に受診するようにしましょう。