MCIから正常に戻れた人と戻れない人の違い


認知症の前段階とされる軽度認知障害(MCI)。

認知症とは診断されないまでも、
認知機能の低下によりもの忘れがひどいなど、
正常とも言い切れない時期のことをいいます。

国立長寿医療研究センターが
愛知県大府市に住む65歳以上の高齢者を対象に
4年間追跡調査した研究結果があります。

認知症になっていない約4,200人のうち
最初の検査時に18%(約740人)がMCIと判定されました。

4年後に同じ検査を行ったところ、MCIだった人のうち
46%(約340人)は正常に戻り、40%(約300人)はMCIのまま
14%(約100人)は認知症に進行していました。

大府市では「健康都市」をまちづくりの理念にかかげているため、
総じて住民の健康意識は高いと考えられます。

そのことが功をなして、この数値となった可能性はありますが、
大事なことは数字よりも『戻れる人が必ずいる』という事実です。

この事実を知っていれば、MCIと診断されたとしても
ただただ不安になって、辛い思いをする必要はありません。

MCIから正常に戻れる希望は十分にあるのですから、
ここで心機一転、認知症予防に取り組むことが大切です。

実際に正常に戻ってきた人の体験談が
書籍や雑誌、インターネット上にまとめられていますので、
それらを読んでいますと励みになります。

逆によろしくないパターンとしては、
気落ちして、家に閉じこもってしまい、何もしないことです。

また、東京医科歯科大学・脳統合機能研究センター特任教授、
かつメモリークリニックお茶の水理事長の朝田隆氏は、
MCIから正常に戻れた人と戻れない人の違いとして、
多数の診断結果を踏まえて、次のように話しています。

<MCIから正常に戻るのが難しい人の傾向>
・他人となかなか話そうとせず引っ込み思案の人
・全部自分で抱え込んでしまう人
・プログラムを恥ずかしがったり、バカにする人
・家の中に閉じこもりがちの人

<MCIから正常に戻る人の傾向>
・話ができなくても自ら輪に入ろうと努力する人
・楽しんで積極的に取り組んでいる人

(出典:週刊文春 2017年7月27日号 表現を一部改変)

これらは本人の性格ともいえますが、
過去において人生で起きたあらゆる出来事に
どのような姿勢で取り組んできたのかの集大成ともいえます。

性格とは、日々の小さな選択と行動が繰り返されることで、
思考や行動のパターン(癖)となったものだからです。

その意味では、日々の小さな出来事に対して、
斜に構えて何もしないのではなく、前のめりに取り組むことが、
将来の認知症の予防や発症遅延につながるといえます。