積極的に楽しむ日常生活そのものが認知症予防につながる


多くの場合で、認知症はある日突然発症するわけではなく、
徐々に認知機能の低下が進んでいきます。

そのため、認知症とは診断されないまでも、
もの忘れがひどい、様子がおかしいなど、
正常とも言い切れない時期が存在します。

こうした正常と認知症の境目にいる時期を
「軽度認知障害(MCI)」といいます。

MCIをこのまま放置すると、認知機能はさらに低下し、
5年間で約40%の人がMCIから認知症にステージが
進行するといわれています。

MCIのまま症状がとどまる人のほか、
MCIから正常に戻る人も報告されています。

こうしたことから、
MCIの人は認知症予備群として注目され、
早期発見・早期対応が必要とされています。

このMCIの時期に低下しやすい認知機能があり、主として
「エピソード記憶」「注意分割機能」「計画力(思考力)」
の3つがあげられています。

◎エピソード記憶
 体験を記憶して思い出す機能

◎注意分割機能
 2つ以上のことを同時に行うときに
 適切に注意を配る機能

◎計画力(思考力)
 新しいことをするときに
 段取りを考えて実行する能力

これらは日常生活のさまざまなシーンで使われる機能のため、
いずれかひとつが低下しても日常生活に困難が生じます。

逆に、この3つの認知機能を鍛えておくことで、
MCIへのステージ移行、しいては認知症への進行を
遅らせることにつながります。

これら3つの認知機能を鍛えるには、
何か特別なトレーニングをしなければいけないと
難しく考える必要はありません。

二日遅れの日記やレシートを見ないでつける家計簿、
料理や旅行、園芸やパソコンなどの趣味活動、
囲碁や将棋、麻雀、トランプなどのゲームには、
3つの認知機能を鍛えることにつながる要素が
たくさん含まれています。

これらは日常生活のなかに取り入れやすく、
趣味活動であれば、生活に楽しみをもたらしてくれます。

楽しさを感じる取り組みは、人は長続きしますし、
長続きするため、認知症予防の効果もその分期待できます。

自宅に引きこもってゴロゴロするのではなく、
積極的に生活を楽しむという生き方そのものが
脳を鍛えることになり、認知症予防につながります。

また、人とのつながりが生まれやすい
趣味活動やボランティア活動を選ぶのであれば、
日常生活にさらなる刺激と楽しさが加わることでしょう。

日常生活を楽しむ+人とのつながりが生まれるという組み合わせは、
認知症予防に向けた好循環の流れを拡大させていきます。