アルツハイマー病は予防がまず大切


現在、日本の認知症の発症者は約500万人、
認知症の予備群とされる軽度認知障害(MCI)の人は
400万人以上とみられています。

認知症の約7割をしめるのがアルツハイマー病で、
そのアルツハイマー病の原因と考えられているのが、
アミロイドβやタウという特殊なたんぱく質の蓄積です。

この特殊なたんぱく質の蓄積によって、
神経細胞が壊れて死んでしまうために
認知症の症状を呈し、脳全体も萎縮していくと
考えられています。

その意味では、アルツハイマー病を克服するには、
アミロイドβやタウというたんぱく質の蓄積を
抑えればよいことになります。

製薬各社は、この見解に基づき、
根本的なアルツハイマー病の治療を実現する
薬の開発にしのぎを削っています。

中には効果が期待されたものもありましたが、
今のところ結果は惨敗です、、、

そのため、根本的な認知症治療薬は
いまだに開発されていないのが現状です。

治療薬の開発が失敗してきた原因のひとつとして、
投薬するタイミングが遅すぎると考えられています。

つまり、認知症の症状が見られるようになった時点では、
神経細胞の死滅がそれなりに進んでおり、薬が作用しても、
脳はすでにやられているということです。

さらに由々しき問題があり、
仮に治療薬の開発に成功したとしても、
認知症を発症するかなり前から薬を、しかも
死ぬまで飲み続ける必要がある点です。

長期間の薬の服用による副作用や膨大なコストを考えると、
実用に向けてはさらにハードルが高くなります。

その意味では、アルツハイマー病は
治療よりも予防することが大切になります。

心疾患や脳卒中と同じように、
病気になってから「治す」ではなく、
ならないように「予防する」にまず注力するのです。

幸いなことに治療薬の開発と並行して、
アルツハイマー病の予防の研究も進んでおり、
科学的に確証の高い予防法があきらかになってきています。

その予防法のひとつが、
糖尿病や高血圧などの生活習慣病にならないように心がけることで、
これには運動習慣とバランスのよい食事スタイルが欠かせません。

また、日頃から頭を使う、人と会うことを習慣にして、
脳を鍛えておくことも大切になります。

薬と違い、これらの予防法のほぼすべては副作用がないため、
安心して家族にも勧めることができます。

「スーパー治療薬が開発されて、人類は認知症から解放される」

このように期待できる状況に今はそうでもないですし、
薬の開発はそもそも自分のコントロール外の出来事です。

それよりも、自分がコントロールできる範囲内の

・認知症についての正しい理解
・認知症予防につながる行動

このことを選択していくことが賢明であり、
現実性の高いアルツハイマー病対策ではないかと思うのです。