認知症につながる悪い習慣とサヨナラする方法


厚生労働省の推計によりますと、今では
認知症はその予備群(軽度認知障害:MCI)も含め、
日本の高齢者の約4人に1人になっています。

その数は増え続けており、増加の一途に打つ手なし
・・かというと、そうでもありません。

認知症は新たな生活習慣病ともいわれているように、
生活習慣を見直すことで、認知症の予防や発症遅延ができると
期待されています。

認知症の原因疾患で一番多いのはアルツハイマー病で、
その次に多いのが脳血管障害となっており、
この2つで認知症の原因の約7割をしめています。

認知症の全容はまだ解明されていないのですが、
アルツハイマー病と脳血管障害の発症リスクを高める
危険因子については以下のものが指摘されています。

<アルツハイマー病の危険因子>
・加齢
・歯の喪失
・運動不足
・食生活
・高血圧
・糖尿病
・遺伝要素 / 家族歴
・頭部外傷
・低頻度の知的活動
・低頻度の対人接触
 など

<脳血管障害の危険因子>
・加齢
・高血圧
・脂質異常症
・肥満
・糖尿病
・食生活
・運動不足
・飲酒
・喫煙
 など

加齢や遺伝など一部のものについては、
自分ではコントロールできませんが、
ほかの多くは自分でコントロールできます。

そして、自分のコントロール下にある危険因子でも、
頭部外傷を除くほとんどのものが日常生活での
「悪い習慣」の積み重ねによってもたらされます。

例えば、ついついしてしまう習慣のひとつに
お菓子の間食があります。

これが一日に何回も、そして、長年にわたり続きますと、
肥満や糖尿病、高血圧などの病気を招きやすく、
ゆくゆくは認知症の発症リスクが上昇することになります。

とはいえ、間食のとりすぎはいけないと思っていても、
多くの人は食べてしまっているものです。
(ご安心ください、わたしもです ^_^)

そこで、認知症予防を考える際には、
認知症の発症リスクを高める悪い習慣が「何か」を知ると同時に、
それとサヨナラする「方法」も知っておく必要があります。

悪い習慣とサヨナラしたいときは、
米国の精神科医ジャドソン・ブルワー氏が提唱する
「悪い習慣を断ち切るシンプルな方法」がその手助けになります。

同氏は、最近の研究を踏まえて、

「癖や習慣は人に備わった学習プロセスの一環」

と語ります。

人が生き残るために、特定の行動は強化されるように
脳には報酬に基づいて学習する機能が備わっています。

例えば、食べものは人が生きていくのに不可欠なものです。

そこで、おいしそうな食べものを見かけたとき、
脳は喜び、それを食べたときにはおいしさに満足し、
ときには幸せな気分を感じます。

そして、脳は、生存確率を高めるために、
次のようなプロセスを繰り返すことを学習します。

食べものを見る ⇒ 食べる ⇒ 満足する ⇒ 繰り返す
(きっかけ ⇒ 行動 ⇒ 報酬 ⇒ 繰り返し)

この学習プロセスがあるからこそ、
人類はここまで生き延びてきたわけですが、
逆に満足や幸せな気分が失われたときにも、
脳は(生き延びるために)この学習プロセスを発動させます。

すなわち、何か嫌な出来事に遭遇して、ストレスを感じたとき、
再び幸せな気分を取り戻すべく、脳は「食べる」を選ぶのです。

学習プロセスにあてはめると、次のようになります。

ストレス ⇒ 食べる ⇒ 満足する ⇒ 繰り返す
(きっかけ ⇒ 行動 ⇒ 報酬 ⇒ 繰り返し)

このプロセスが何回も繰り返されることで、
行動が強化され、習慣となってしまうのです。

失恋や仕事の失敗などでやけ食いをしてしまうのは、
生き残るために脳が採用している学習プロセスが
そうなっているからです。

ただ、お腹が空いていないのに、
ストレスを紛らわそうとついつい食べてしまうと、
カロリーオーバーになり、肥満や糖尿病などの生活習慣病、
しいては認知症を招くことになります。

ここからは、ついつい間食してしまうような
悪い習慣から抜け出す方法が必要になってきます。

ジャドソン・ブルワー氏は、
悪い習慣で形成されたこの学習プロセスから抜け出すには、

「悪習にとらわれた結果を客観的に見据える」

ことが大切としています。

具体的には、衝動的に何かをしたくなったときに、
素直に!?その衝動に身をまかせるのではなく、
自分の中で起こっている変化を客観的に注意深く観察します。

そして、まるで他人事のように、

「ああ、自分はあの人の発言にイライラして、
 お菓子を無性に食べたくなっているのだなあ」

と、脳の学習プロセスが作り出した習慣に従って
自分が行動していることを自覚します。

これを何回も繰り返すことで、
100年の恋から冷めた乙女のように

「どうしてこんなことが好きだったのだろう?」

と、自分のしていた行為に幻滅することになります。

すると、報酬に基づく学習プロセスにおける

「きっかけ(ストレス) ⇒ 行動(食べる)」

が起動しなくなるため、悪い習慣から自然に離れられるというのです。

ジャドソン・ブルワー氏は、

「衝動的に何かをしたくなったときには、その衝動に気づき、
 それに関心をもち、手放す喜びを感じる、これを繰り返す」

が悪い習慣を断ち切るシンプルな方法だといいます。

また、この方法は暴飲暴食や喫煙だけでなく、
ついついしてしまうスマホチェックでも効果的です。

この方法をさらに詳しく知りたい方は、
同氏がTEDでプレゼンした動画が公開されていますので、
ご覧になるとよいでしょう。

TED Talk | 悪い習慣を断ち切るシンプルな方法
 ※プレゼンは英語ですが、日本語字幕があります