認知症予備群(MCI)ための認知症予防:生活編


記憶力や注意力といった脳の認知機能が正常より低下しており、
正常ではないが、かといって認知症のレベルには至っていない、
正常と認知症との中間状態を「軽度認知障害(MCI)」といいます。

MCIには認知症予備群との異名がありますが、
そのわけはMCIの段階での認知症発症率の高さです。

MCIの人は、1年以内に12%、5年以内に半数近くが
認知症を発症するという研究結果があります。

逆に、MCIの段階で対策を講じたことで、
認知機能が低下から回復したり、認知症発症を遅らせたりが
できたという事例も報告されています。

認知症においては、MCIは徳俵に足がかかった状態といえ、
この時期にどう取り組むかで、未来が大きく変わることになります。

そこで、今回は認知症予備群(MCI)の人が
心がけたい「生活」についてみていきたいと思います。

MCIの人が日常生活を送る際、
脱水と便秘を防ぐことを心がけるとよいでしょう。

まず、脱水状態が続きますと、
認知症の引き金になることがあります。

人の体のほとんどは水でできていますが、
水の構成比は年齢とともに変化していきます。

子どもの頃は約70%を水が占めるも、
成人では約60~65%、高齢者で50~55%
ほどになるといいます。

これは年齢とともに筋肉が減って、
脂肪が増えていくことと関係があります。

筋肉の細胞は水分を貯めておけるのですが、
逆に脂肪の細胞は水分を貯めにくい性質があります。

特に高齢者は、加齢とともに
筋肉が減り、脂肪が増える傾向がありますので、
体の中に水を貯め込む力が弱くなっています。

さらに高齢者は感覚機能の衰えにより、
のどの渇きも感じにくくなっているため、
高齢者の脱水症状に注意が必要となります。

脱水症状になると、だるくなったり、ぼーっとしてしまったりなど、
一見すると認知症の症状と見まがう様子を呈します。

また、慢性的な脱水症状では、血液がドロドロになるため、
脳梗塞や心筋梗塞の引き金になることもあります。

季節の変わり目などは、脱水リスクが高まる時期です。

トイレが近くなるのを嫌がって、水分補給を控えるのではなく、
適切に水分を補給することが大切になります。

ちなみに、人が一日に摂取すべき水の量は、
食事から1日800ml、飲み物から1000~1500ml
といわれています。

なお、脱水の状態に陥っているときは、
その人の手の甲の皮膚をつまむと、
つまんだ形がそのまま残るようになります。
(ハンカチーフサインといいます)

こうしたサインを見逃すことなく、
早め早めの水分補給を心がけたいところです。

そして、便秘も認知症の症状を悪化させる
原因のひとつといわれています。

認知症ではない健常者でも便秘が続けば、
お腹の張りやイライラなど、心身に不調を覚えるものです。

認知症の症状がみられる人の便秘が解消されたら、
夜間徘徊やせん妄が収まったというケースがあります。

便秘の予防には、ゴボウや大根など、
食物繊維の豊富な食材をとるようにします。

ただ、便秘の人が便秘の改善のために食物繊維をとると
逆効果の場合もあるため注意が必要になります。

便秘のときは、うどんやお粥など消化吸収のよい
炭水化物をとるように心がけるとよいでしょう。

以上、まとめますと、
認知症予備群(MCI)の人が心がけたい生活内容としては、
脱水と便秘を防ぐために、こまめな水分補給と
食物繊維の豊富な食材をとることを心がけたいところです。